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概要:1月3日の円急伸は日本の投資家による外国為替証拠金取引(FX)への注目を高めた。超低金利の日本では為替取引に手を染める人が増え、こうしたトレーダーの市場への影響力が増している。
1月3日の円急伸は日本の投資家による外国為替証拠金取引(FX)への注目を高めた。超低金利の日本では為替取引に手を染める人が増え、こうしたトレーダーの市場への影響力が増している。
2005年の法改正後に人気が出たFX取引は13年にはスポット取引全体の68%を占めるほどになっていた。その後もシェアが43%を下回ったことはなく、影響力の大きい日本の個人投資家に「ミセス・ワタナベ」のニックネームがついている。
投機的投資家は近年、取引の薄い時間に円買いを仕掛けて連鎖反応を狙うことがあった。高利回り通貨を買い円を売るポジションを組んでいるトレーダーに損切り注文を出させるのが狙いだ。日本が休場の日のアジア時間早朝が狙い目になる。比較的規模の小さいオーストラリア市場が主戦場になるからだ。南アフリカ・ランドやトルコ・リラのようなアジア市場で取引高が少ない新興国通貨が特に大きく動く。
Love for Yield
Japanese retail investors have held long positions on high-yielding currencie
Sources: Tokyo Financial Exchange, Bloomberg
Note: The ratios are computed based on weekly averages in 2018
個人投資家の取引の特徴
FX取引を行う日本の投資家の特徴は「高利回り通貨選好」と「押し目買い」。キャリートレードのリターン最大化を狙う個人投資家は主に押し目買いに徹する。ランドなどの高利回り通貨の取引に、この動きが表れている。
キャリーリターンを狙う取引は何をもたらすか
キャリートレードのリターンを狙った取引では、「高利回り通貨の買い持ち、円の売り持ち」のポジションが常態化する。これは、リスク回避志向が強まった時に円の上昇を抑える傾向がある。しかしFXトレーダーの損失が膨らむと、急激なポジション解消を引き起こして、桁外れの大きな動きをもたらし得る。
FX業者は東京時間午前7時ごろ、顧客のポジションを毎日チェックし、損失が一定水準に達していればポジションを清算する。日本が休場でも例外ではなく、マーケットメーカーは注文への対応に苦慮しスプレッドが拡大しかねない。これが、アルゴリズムで設定されている引き金を引くと、一斉売りが起こる。
こうした連鎖反応が、先月3日の円に対するオーストラリア・ドルとトルコ・リラ急落の背景にあったかもしれない。
取引の状況を把握するには
金融先物取引業協会はFX業者50余りからの報告に基づいた月次データを公表している。東京金融取引所は、同協会よりサンプルベースは小さいものの週次データを公表する。各FX業者はそれぞれの顧客にデータを提供するが、外為どっとコムのようにデータ情報を公開するところもある。
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