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概要:サムスンの2019年の最上位スマートフォン「Galaxy S10」シリーズがついに登場した。正面のほぼ全てが有機ELで覆われ、背面カメラも3つ搭載しているが、その実機の印象はいかに。
発表されたGalaxy S10シリーズ3モデル。写真左から「Galaxy S10e」「Galaxy S10」「Galaxy S10+」。
Galaxy S10シリーズは、ディスプレイサイズの異なる3モデルをラインナップ、5G対応モデルもあり
スマホ初、有機ELディスプレイに「HDR10+」「超音波式指紋認証」
超広角、広角、望遠のトリプルレンズカメラを採用
価格はGalaxy S10が899ドル(約10万円)から、大型のS10+が999ドル(約11万1000円)から、小型のS10eが749ドル(約8万3000円)から。
サムスンの新フラッグシップスマホ「Galaxy S10」シリーズは、よくまとまったいわゆる「優等生」のようなスマートフォンだ。
サムスンは2月20日(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコでフラッグシップ端末の最新モデル「Galaxy S10」シリーズ3機種を発表した。全世界からプレスが集まった発表会「Galaxy UNPACKED 2019」では、多数の新製品を発表するとともに、Galaxy S10シリーズ3機種を展示。実機のファーストインプレッションとして、外観や特徴的な機能を紹介しよう。
6.4インチから5.8インチまで、3モデルを展開
Galaxy S10を手に持った様子。筆者の印象では3モデルの中で最も持ちやすかった。ディスプレイは6.1インチ。
Galaxy S10シリーズには、ディスプレイサイズの異なる3モデルが用意される。メイン機種となるのが、6.1インチの「Galaxy S10で」、S10より大きい6.4インチが「Galaxy S10+」、逆に5.8インチとやや小型なのが「Galaxy S10e」だ。
本体サイズは、当然だがディスプレイサイズに比例して大きくなる。筆者の手はやや大きいことや、近年のスマートフォンは大型化がトレンドとなっていることもあり、最も大きなGalaxy S10+でも特別大きいとは感じなかった。
最も大きいGalaxy S10+(6.4インチ)。筆者の手はやや大きいが、片手での操作は少々厳しい印象。
最も小さいGalaxy S10e(5.8インチ)。手が小さめで大きいスマホはちょっと……という人にはこちら。
ただ、持ちやすさという点ではメイン機種のS10が最もしっくりくる印象だ。
S10+では、片手操作では指が届きにくいと感じる場所もあるが、S10は画面内のいずれの場所にも比較的自然に指が届き、軽快に操作できると感じた。最も小さなS10eは、小型ボディーが好きな人や、手の小さい人にいいだろう。
また、重さはGalaxy S10が約157g、S10+が約175g、S10eが約150gとなる。特別軽いわけではないが、いずれの機種も手にしてずっしりと重いと感じることはなかった。近年、フラグシップスマホは年々、機能強化とともにサイズが大きくなり重さも増しているが、そういった中ではまずまず満足できるサイズに重さのバランスだろう。
背面の様子。ディスプレイサイズに比例して本体サイズが異なっている。
ちなみに、実機展示はなかったものの、Galaxy S10には5G対応モデルとなる「Galaxy S10 5G」も用意される。こちらは6.7インチとかなり大型のディスプレイを搭載し、重さは約198gだ。
Galaxy S10 5Gは映像でのみ紹介。S10+よりも大きい6.7インチのディスプレイを搭載するため、かなりかさばりそうだ。
正面の見た目は「ほぼ画面だけ」、2019年の流行仕様を盛り込む
S10とS10+は従来モデル同様にディスプレイ側面が曲面となっている(写真左)。対して、S10eはフラットなディスプレイを搭載(写真右)。
デザインは、3モデルとも従来のGalaxy Sシリーズのデザインコンセプトを踏襲している。ただ、S10とS10+では、従来モデル同様にディスプレイの左右側面付近がカーブしているのに対し、S10eでは一般的なフラットな形状となっている。
側面から見ると、ディスプレイ面で側面の曲線がスパッと切り取られているようなエッジ感があり、わずかながら見た目の印象が異なる。ただ、背面はS10/S10+同様になだらかなカーブとなっているため、手に持った印象はほとんど変わらなかった。
Galaxy S10eを横から見ると、ディスプレイ面でスパッと切り取ったようなデザインとなっている。
正面カメラをディスプレイ内に配置し、カメラ部分を丸く切り抜いた「Infinity-O Display」。有機ELパネルには新開発のHDR10+表示対応の「Dynamic AMOLED」を採用している。
Galaxy S10シリーズの大きな特徴となるのが、正面カメラをディスプレイ内に配置し、カメラ部分を丸く切り抜くという、これまでにない仕様「Infinity-O Display」を採用する点だ。
近年、iPhone Xを皮切りにディスプレイ上部のカメラ部分をディスプレイにはみ出させた“ノッチ”と呼ばれるデザインを、多くの機種が採用している。一方のS10では、Infinity-O Displayの採用によって、文字通り本体の上下左右側面ギリギリまでディスプレイが占有している。
写真左はS10+の正面カメラ。楕円形にディスプレイが切り抜かれているが、ノッチとは違う印象。一方、写真右はS10の正面カメラ。単眼のため、より目立ちにくい印象だ。
確かにカメラ部は切り抜かれているが、ノッチ型に比べると存在感は希薄。標準でセットされている壁紙は、全てカメラ付近が黒に近い配色となっていることもあるが、明るい色をセットしてみても、ノッチ型のような存在感を主張してくるような印象はなかった。
埋め込み型指紋認証センサーは認証速度が超高速
Galaxy S10とS10+は、ディスプレイ下部に超音波式の指紋認証センサーを内蔵する。
ディスプレイまわりでもう1つ見逃せないのが、ディスプレイ埋め込み型指紋認証センサーの搭載だ。2018年より、OPPOやファーウェイなどが埋め込み型指紋認証センサーを搭載するモデルを発売しているが、それらはいずれも光学式センサーを採用したものだ。それに対し、Galaxy S10およびS10+には、超音波式のセンサーを採用している。
超音波式指紋認証センサーの特徴としてサムスンは、「認証速度の速さ」や、立体的に指紋を読み取ることによる「認証精度の高さ」などを挙げている。
発表会の実機ハンズオンでも、認証速度については、同社が主張しているとおりの速さを体感できた。光学式では、指が触れてから光を当てて光学センサーで読み取るという流れで認証までに1秒ほどかかる場合もあるが、それと比べると快適さは段違いだ。
また、従来のGalaxy S9までは指紋認証センサーが背面カメラ付近に配置されていたことで、カメラのレンズを指で触れてしまう場合があったが、S10/S10+ではその問題も解消している。
ちなみに、一部で画面保護シートを貼ると指紋認証センサーが反応しなくなると報道されているようだが、関係者によると、ディスプレイには保護シートが貼られた状態で出荷されるという。実際のところは出荷されてみないとわからないが、その話が本当であれば、報道されているような懸念はないのかもしれない。
Galaxy S10eでは、右側面に電源ボタン一体型の指紋認証センサーを搭載。これはこれで扱いやすい。
なお、Galaxy S10eには埋め込み型の指紋認証センサーは搭載されず、右側面に配置された電源ボタンと一体となった指紋認証センサーを搭載する。
超広角レンズを追加したトリプルレンズカメラ
Galaxy S10とS10+には、超広角、広角、望遠の3つのレンズを採用するトリプルレンズの背面カメラを搭載。
Galaxy S10とS10+では、背面のカメラが超広角、広角、望遠の3つのレンズを備えるトリプルレンズカメラを搭載している。画角は超広角が123度、広角が77度、望遠(光学2倍)が45度となっており、シーンに応じて切り替えて利用できる。また、望遠では光学2倍に加えてデジタル10倍ズームも可能。
写真左は広角レンズで撮影できる画角。写真右は超広角レンズで撮影できる画角。ゴールデンゲートブリッジのほぼ全体が収められている。
それぞれのレンズの画角を比べてみたが、やはり超広角の実装は集合写真や風景写真、大きな建物などを撮影する場合などにかなり便利そうだ。画角123度は魚眼レンズの領域に近く、周辺部にはわずかに歪みも見られるが、それでもこれまで以上に広範囲を撮影できる利便性は大きい。
合わせて、超広角レンズを使ったパノラマ撮影では、従来よりも上下の範囲が広いパノラマ写真が撮影できるという。これも、雄大な自然を撮影したい場合に活躍するだろう。
ちなみに、Galaxy S10+では、正面カメラにセルフィー時に使う10メガピクセルのカメラと8メガピクセルの「RGB深度計測カメラ」が並べて搭載される。深度計測カメラを搭載したことで、より正確に被写体や背景の位置が計測でき、自然なボケを再現するという。
カメラを構えると、AIが最適な撮影ポイントと水平の角度を判断しガイドを表示。
最適と判断したポイントと角度が合えば、ガイドが黄色になり教えてくれる。
実際の写真画質については、端末を外に持ち出して試せなかったため、今回はほとんど確認できていない。S10シリーズには、カメラを構えた時に自動的にオススメの撮影ポイントを表示したり、水平からの傾きを知らせる機能もある。
ただ、会場で試した限りでは、オススメポイント表示がなかなか発動しなかったり、ポイントもよくわからない場所を示すことがあった。このあたりも屋外での撮影で試す必要がありそうだが、うまく動作すれば、撮影を手助けする有効な機能になると感じた。
カメラアプリにインスタグラム投稿機能も統合している。撮影するとインスタグラム投稿メニューが表示され、アプリを切り替えずに写真を投稿できる。
高性能テレビで搭載される「HDR10+」にも対応
カメラアプリに、HDR 10+対応の動画撮影機能を用意。単体でHDR 10+動画の撮影から表示まで可能だ。
S10シリーズは、スマートフォンでは初となるHDR10+に準拠。HDR10+は最新テレビの上位機種で対応製品が増えている。Galaxy S10シリーズのカメラアプリでは、このHDR10+に対応するHDR動画撮影機能も搭載される。こちらもスマートフォン初の機能で、Galaxy S10シリーズではHDR10+対応が大きなトピックとなっている。
“革新さ”は薄いが、現時点で最良の解
Galaxy S10本体のワイヤレス充電機能で、他のワイヤレス充電対応機器を充電できる「Wireless Power Share」。Galaxy S10側にACアダプターを接続しておけば、Galaxy S10と周辺機器の双方を同時に充電できる。
最後に、筆者が実機を触った印象は、良い部分とスマホの技術的進化の限界を感じる部分が入り混じる。
まず1つは、Galaxy S10シリーズは「非常に良くまとまった製品」であること。従来モデルの不満点を改善しつつ、新機能や競合製品が搭載する機能をうまくまとめ上げ、現時点で最良の解を示してきた印象は非常に強い。
一方、“イノベーション”と言えるほど目新しいものを感じなかったのも事実だ。多くの世界初の機能を搭載するが、ほとんどは体験そのものを変えるような、全く新しいものというわけではない。ワイヤレス充電機能で他の機器を充電できる機能など、すでに競合製品が搭載しているものをサムスンなりに解釈して搭載してきた機能も多い。
今回発表された全モデルが日本で発売されるかどうかは不明だ。とはいえ、どの機種が国内で登場したとしても、完成度の高さにおいては、競合製品と対等以上に戦えるだろう。
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(文、撮影・平澤寿康 取材協力・サムスン電子ジャパン)
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