简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:サムスンが2月20日に開催した新製品発表会では、新フラッグシップシリーズや5Gスマホ、折りたたみ型スマホが目白押しとなった。しかし、その真の主役は何だったのか? 同社の戦略を考えてみた。
Galaxy UNPACKED 2019開始と同時に披露された折りたたみ型の「Galaxy Fold」。
世界のスマートフォン市場は、拡大期から成熟期へと移行し、右肩上がりだった出荷台数もここ数年は陰りが見えている。
アメリカの市場調査会社・IDCの調査結果では、2017年に全世界のスマートフォンの総出荷台数が初の前年割れを記録するとともに、2018年も続いて前年割れとなっており、スマートフォンメーカーにとって厳しい状況が続いている。特にサムスンは、世界シェアトップを維持しつつも、ここ数年でシェアを大きく落としており、正念場と言える状況が続いている。
続いて、最新フラッグシップ機「Galaxy S10」シリーズを発表。
そういった中で2月20日(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコで開催されたGalaxy UNPACKED 2019は、かなりアグレッシブな内容だったように思う。
開始直後、いきなり折りたたみ型スマートフォン「Galaxy Fold」を披露したかと思えば、その興奮も覚めやらぬうちに最新フラッグシップ機「Galaxy S10」シリーズ3機種を発表。
Galaxy初の5Gスマートフォン「Galaxy S10 5G」。とにかく怒濤の新製品発表会となった。
その後も、ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」、フィットネスやスポーツシーンに向けたスマートウォッチ「Galaxy Watch Active」とスマートバンド「Galaxy Fit」、タブレット新モデル「Galaxy Tab S5e」、最後にGalaxy初の5Gスマートフォン「Galaxy S10 5G」と、怒濤の新製品ラッシュとなった。
Galaxy登場10周年の節目、主役は新製品
Galaxy FOLD発表後にようやく登壇した同社のモバイル部門トップのDJ Koh氏。
初代Galaxyが登場したのは2009年のことだった。今年2019年は、そのGalaxyが登場してちょうど10年になる。サムスンにとってひとつの節目の年でもある。
だからこそ、まずはじめに同社のモバイル部門トップのDJ Koh氏が登壇し、過去10年間のGalaxyの歩みをじっくりふり返りつつ、新製品を発表していく流れになるだろうと想像していた。
発表したGalaxy Foldを掲げるDJ Koh氏。
それだけに、いきなり目玉のGalaxy Foldが発表し、その後登壇したDJ Koh氏も過去10年の歩みについて触れたものの、その内容は非常に簡単なもので、結局ほとんどの時間を新製品の発表に費やしたのには驚かされた。
Galaxy S10eはスマホの高止まりに一石を投じるか
Galaxy S10eは749ドルに価格を抑えてきた。高騰が続くフラッグシップ機に一石を投じる製品となりそうだ。
多数発表された新製品の中で、とくに注目したいのが、「Galaxy S10e」だ。
ここ数年、フラッグシップ機は非常に高価となり、価格が1000ドルを超える製品も珍しくなくなっている。発表されたGalaxy S10シリーズも、Galaxy S10が899ドル(約10万円)から、S10+が999ドル(約11万1000円)からと、引き続き高価ではある。
しかし、Galaxy S10eでは、一部機能を抑えることで価格を749ドル(約8万3000円)まで落としてきた。とはいえ、SoC※などをはじめとした基本的なスペックはS10やS10+と同等で、間違いなくフラッグシップスマートフォンとして位置付けられる。
※SoCとは:
System on a Chipの略。1チップでコンピューターを実現する統合半導体のこと。
Galaxy S10eは、S10シリーズ内では最も小さい5.8インチ。
戦略としては、「iPhone XS」に対する「iPhone XR」とほぼ同じであり、アップルが先手をうちサムスンが追従するという、これまでもよく見られた構造ではある。
それでも、フラッグシップスマートフォンを手の届く価格帯へ戻してきたという意味で、Galaxy S10eの存在意義は大きいと感じる。おそらく今後は、同じようにフラッグシップのラインナップを3機種構成としてくるメーカーが増えていきそうだ。
モバイル業界は全体的に厳しい状況が続く
DJ Koh氏は、多数の新製品を発表するとともに、Galaxyシリーズ総出荷台数が20億台を突破したことや、今後もイノベーターであり続けるとの意思を示した。
このように、多数の新製品が発表されたGalaxy UNPACKED 2019だが、そのことは事前に予想されていた。
2019年はGalaxyシリーズ登場10周年の節目の年であるとともに、今後世界各地で次世代通信「5G」の商用サービスが順次スタートしていくこともあり、新製品ラッシュとなったのも当然のことだろう。
また、サムスン以外のスマートフォンメーカーも非常に厳しい状況にある現状も、アグレッシブな内容となった理由の1つと考えられる。
シェア第2位のアップルも、第3位のファーウェイも、それぞれで別の問題に直面している。
撮影:今村拓馬
世界シェア2位のアップルは、市場をけん引するようなイノベーションを示せなくなってきたことや、端末価格の上昇、中国市場の低迷などを理由に、ここ数年でシェアを大きく落としている。
また、近年怒濤の勢いでシェアを伸ばしてきたファーウェイも、アメリカと中国の貿易摩擦の影響を背景に大きな火種を抱え込み、今後の見通しにも暗雲が立ちこめている。
つまり、状況が厳しいのはサムスンだけではない。そういった中で多数の新製品を発表することで優位性をアピールするとともに、強い意気込みを示す必要があったわけだ。
全方位作戦でトップシェアの維持につなげるサムスン
インスタグラムのヘッド、Adam Mosseri氏を壇上に招き、Galaxy S10シリーズのインスタグラム投稿機能を統合したカメラアプリを紹介。
Galaxy UNPACKED 2019を通して見ると、飛び抜けた話題はなかったように思う。確かにGalaxy Foldは、最先端の技術を集約したイノベーションを感じさせる製品ではあるが、これまで誰も思いつかなかったような製品ではない。
Galaxy S10シリーズについても、さまざまな世界初の機能を取り込みつつ、高い完成度でまとめ上げた製品ではあるが、従来モデルの不満点改善や、他社が先行していた機能を進化させて追加したといった部分も多い。
米キャリア・VerizonのCEOであるHans Vestberg氏もゲストとして登壇。Vestberg氏は「Verzon初の4G対応スマホはサムスン製だった。そしてVerizon初の5Gスマホもサムスン製になる」と述べた。
それでも、今後もトップシェアを維持していくというサムスンの強い意志は十分に感じ取れた。Galaxy Foldでイノベーションを、Galaxy S10 5Gで5G世代への意思を示し、Galaxy S10シリーズでは、性能や機能の進化に加えて、近年価格が高騰しているフラッグシップスマホに対して一石を投じた。
また、Facebookとの「インスタグラム連携機能」やアドビとの「Android向けPremiere Rush最適化」など、有力パートナー企業との順調な関係性もアピールされた。実を取りに行くという意味では、十分に成功と言える内容だったように思う。
関連記事
【現地レビュー】ほぼ全画面スマホ「Galaxy S10」の実力、“超音波”指紋センサー&3眼カメラはアリか?
(文・撮影:平澤寿康、取材協力:サムスン電子ジャパン)
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。