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概要:Edward Hadas [ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米企業は、技術革新の面では弱体化しつつあるように見える。だが、収益面では状況はまったく異なる。 ノースウエスタン大学のエコノミスト、ロバート・ゴードン氏は、自身が「技術的フロンティア」と呼ぶ分野の減速を最初に指摘した1人だ。2012年、最先端のフロンティアである「コンピューター革命」からの恩恵が下火になりつつあるとの仮説を打ち出し、議論を呼んだ。 とはいえ、技
Edward Hada
[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米企業は、技術革新の面では弱体化しつつあるように見える。だが、収益面では状況はまったく異なる。
ノースウエスタン大学のエコノミスト、ロバート・ゴードン氏は、自身が「技術的フロンティア」と呼ぶ分野の減速を最初に指摘した1人だ。2012年、最先端のフロンティアである「コンピューター革命」からの恩恵が下火になりつつあるとの仮説を打ち出し、議論を呼んだ。
とはいえ、技術の成熟度を示す兆候の1つは、研究開発費の生産性低下だろう。あらゆる技術革新は、これまでに比べさらに多くの努力が必要となる。スタンフォード大の経済学者ニコラス・ブルーム氏らによる研究は、その生産性低下が現実に起きていることを示している。
彼らの研究は、米国での研究開発費と労働生産性の上昇を巡る関係を調べている。その結果は明解だ。同じペースで上昇を続けるためには、より多くの「燃料」が必要になる。正確には、単に労働生産性の低下を避けるだけでも、13年ごとに研究開発費を倍増させていく必要があると、ブルーム氏らは計算している。
実際、生産性の低下は回避できていない。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの2017年報告書によると、1987─2004年の米生産性の伸びは、年平均2.1%だった。その後の10年では同1.2%で、低下傾向が続いている。
もちろん、依然として躍進を続けている経済分野もある。例えば、ビッグデータは急速に利用しやすくなり、従って価値が増している。だが、こうした技術「最前線」の背後で、進歩ペースの鈍い「その他大勢」がますます増え続けている。
ブルーム氏らは、いくつかの重要産業に着目した生産高分析も行っており、その結果は典型的だ。「生産の伸びは、安定的または下落すらしている。だが生産拡大をもたらした研究の量は大きく増加している」
ゴードン氏を含めた一部の研究者は、技術革新の減速を嘆いている。だが、技術がどれほどの進歩を遂げてきたかを再認識することで納得できるだろう。先進国に住む人ならばすでに、長く、安全に、かつ快適で刺激的に生きられるだけのものを十分に手にしている。 これから先、進歩の速度が遅くなったとしても、今ある問題を解決し、新たな機会を広げていくだけのモメンタムは恐らくあるだろう。
だが一方で、技術革新の減速は、競争市場の構造も変える。
ブレークスルーの流れが細れば、競争上の大きな武器を長く保持できる企業は減るだろう。こうしてよりフラットな企業競争の現場では、生産性や市場占有率のやや低調な伸びが業界標準になるだろう。そうなれば、経済理論上、利益率は低下する。
ニューヨーク大学の学者による研究では、この経済理論が一部正しいことを示している。トーマス・フィリッポン教授とジャーマン・グティエレス氏は論文で、米国全体と各業界の最大手企業を検証した。そして、2000年ごろを境に、こうした「スター企業」の傾向が大きく変わったことを発見した。
例えば、2人は、62業種における時価総額トップ上位4社が、米国の年間生産性上昇率にどう貢献しているかを調査した。こうした企業には、グーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL.O)やフェイスブック(FB.O)、アップル(AAPL.O)、アマゾン(AMZN.O)、そしてマイクロソフト(MSFT.O)が含まれる。各業界の最大手企業は年を追って入れ替わるため、常にその当時の「勝ち組」が含まれることになる。
1960─2000年にかけて、年間の米生産性上昇率に対するこれら248社の貢献度は、平均で0.72ポイントだった。そして、2001─16年では、同0.43ポイントだった。
市場占有率でも、同じような傾向が見て取れた。248社の米国売上高は、1980年には国内総生産(GDP)の29%だった。それが2016年には25%に低下していた。つまり、技術革新の減速に伴う「平準化作用」に耐えられるような、圧倒的なスター企業は十分にはいないということだ。
だがその一方で、企業業績には、経済理論通りではない面もある。競争力が低下しても、最終的な利益は減っていないのだ。実際、米政府の統計によると、国民所得に対する企業収益の比率は、この10年で平均6.7%で、2000─1991年の同5%から上昇している。
ただ、こうした収益の伸びは、設備投資の増加につながっていない。それどころか、民間投資は同期間に、GDPの17.6%から16.2%に減少している。
企業経営者にとって、明らかに利益追求の方が技術革新に取り組むよりも容易だった。もしくは、彼らにとってより有益だっただけかもしれない。結局のところ、経営者の報酬は、主に収益と株価の伸びに連動しているのだ。
このように技術と利益の傾向が乖離(かいり)することは、フェアではないように見える。米企業に投資する株主は事実上、技術革新への貢献が低く、設備投資も少ない企業からより多くのリターンを得ていることになる。
もちろん、このようなことを心配するのは経営者の仕事ではない。自社の技術開発の成果を、彼らは、全体への思慮なしに宣伝しても構わない。また、「株主価値教」の熱心な信者としては、利益が「高すぎる」などという考えはタブーだろう。
しかし、政治家の立場は異なる。正義の追求も視野に入れなくてはならない。そして、企業収益への課税や、反トラスト規制、業界癒着の規制など、強力な武器を手にしている。これらを使えば、利益と生産性を巡る傾向を変えることができるだろう。
株主には厳しいが、社会のためにはその方が好ましい。
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