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概要:幼い頃からプログラミングに興味を持ち、14歳でIBMなどと世界最先端のAIプロジェクトに関わるようになったタンメイ・バクシ君。地球規模の課題に独学で挑んでいる。
世界でも有数のAI研究者はカナダ・トロント大に集結している。その中に若干16歳の“天才研究者”がいると聞き、トロントに彼を訪ねた。
Shutterstock/maxuser
7歳で初めてアプリを開発、9歳で作ったiOSアプリがアップルのアプリストアに認められ、14歳でIBMなどと世界最先端の人工知能(AI)プロジェクトに関わるようになったタンメイ・バクシ(Tanmay Bakshi)君(16)は、カナダ・トロントの郊外に住んでいる。
コンピューター・プログラミングに興味を持ったのは5歳のとき。父親のプニートさんがプログラマーで、横から見ていて「楽しいことの一つ」と思ったという。5歳だったため、それが仕事で、父親が給料をもらっているとは思いもしなかった。このことが奏功した。
一旦始めたらハマって、インターネットで学習ツールを見つけてきてはプログラミングをし続けた。
一気に名が知れたワトソン向けアプリ
7歳でアプリを開発したタンメイ君。
撮影:津山恵子
アップルのアプリストアに即日認められたアプリ「tTable」は、7歳の時に試験の勉強を効率的にするために作った時間管理アプリ。そのアプリのおかげで試験で高得点が得られたため、多くの人とシェアしようと思った。
11歳の時には、「機械学習」に注目し始めた。なぜなら、
「それまでのテクノロジーはある意味で限定されていて、ちょっとつまらないと思い始めた。なぜなら直感的じゃないし、柔軟性に欠ける。コードを書くとその通りのことをして、それ以上でもそれ以下でもないんです」(タンメイ君)
機械学習の世界で彼を有名にしたのは、IBMの「ワトソン」(自然言語を理解・学習することで、質問に応答するシステム)向けに作ったアプリ「AskTanmay」だった。
「僕は機械学習に情熱を抱いている」
IBMのワトソン向けに自作のアプリ「ASKTanmay」を作ったことが、彼の名を広めるきっかけになった。
Ben Hider/Getty Image
ワトソンに興味を持ったのは、「ジェパディ!」というクイズ番組。挑戦者と同様にクイズに答えるワトソンをビデオで見つけたのがきっかけで、「はっきり言って、こんなに魅力的なものはない、と思った」という。
アプリを作ったことで、IBMが催す最大の会議「IBMインターコネクト2016」に招待され、「AskTanmay」について「生まれて初めて」のプレゼンをした。AskTanmayは自然言語を理解し、質問に的確に答えてくれるアプリで、その精度は検索エンジンのはるか上をいくと評価された。
以後、IBMや米小売最大手ウォルマートなどの大企業と、機械学習で協力しさまざまなAIプロジェクトに取り組んでいる。 そして今こう話すのだ。
「僕は機械学習に情熱を抱いています。僕の最大の関心事なんです」
彼自身が9歳で立ち上げたYouTubeチャンネルや、何万人もの人が集まるイベントを通して、機械学習や人工知能(AI)の可能性を人々に伝えていくのが、自分の役割だともいう。
それだけに、人々が将来のロボットに抱く「恐怖心」についての見解も鋭い。
「何十年も前、僕らは2000年代になれば、僕らとコミュニケーションが取れて、人間のように行動したり考えたりするロボットが実際に現れると言っていた。実際は、現在そこには程遠い状況だ。でも、機械学習で何か飛躍的なことがあると、人々は『落ち着け。汎用人工知能(AGI、人間と同じことができるAI)がやってくるぞ』というけれど、実際はそうではない。どんなに飛躍的な進展があっても、僕らは、もしかしたらAGIには到達できないかもしれない」
と指摘する。
独学で自宅の地下室から世界へ
トロント郊外に住むタンメイ君と両親。父親のプログラミングを側で見ていたのが、この道に入るきっかけになった。
撮影:津山恵子
タンメイ君は今学校には行かず、自宅で独学し、残りの時間は企業とのプロジェクト、YouTubeビデオの撮影とアップ、新著の執筆と大人のような生活を送っている。
自宅の広い地下室が、彼の学校であり仕事場で、何台ものコンピューターや、ビデオ撮影用のライトなどが置かれていた。閑静な住宅地で、車が通る音さえしない空間から、16歳のタンメイ君が次世代の技術を縦横無尽に駆使して、世界に発信している。
今取り組んでいるプロジェクトの一つは、インドのベンチャーと取り組んでいる。医療臨床試験の規制情報を自動的に調べることを可能にするものだ。
臨床試験には長い時間と膨大な費用がかかるが、さらに世に出すには各国の規制をクリアしなければならない。この壁に突き当たる研究者が多い上に、実際の規制はほとんど規制当局とのやりとりで明らかになっていくというのが一般的だ。これにもかなりの時間が取られる。
コンピューターのアプリで自動的に規制情報がわかれば、研究者のストレスを大幅に減らすことができる。
例えばこんな発見もあった。ある研究者が米食品医薬品局(FDA)に対して規制情報について何か質問をしても、規制当局で使っている役所言葉が入っていないというだけで、質問だとは認識されず、何の返事も来ないというケースだ。
だが、AIであればきちんと自然言語を理解し、知りたいことに答えてくれるというのだ。
アフリカの農業問題や密漁問題も解決
このアプリが医療関係者や医師、新薬開発者などにとって朗報なのは間違いない。
世界には飢餓や貧困、環境破壊、気候変動などもっとスケールが大きい問題もある。タンメイ君は、こうした地球規模の問題にも複数のプロジェクトを通してかかわっている。
アフリカの農業問題に貢献できるプロジェクトにも参加している。
Shutterstock/Adam Jan Figel
アフリカでは農業が重要産業であるにもかかわらず、水へのアクセスが困難といった問題がある。彼が手がけている「スマート農業」システムでは、水などの資源を最小限に抑えながら収穫率を効率的に上昇させることができるという。
アフリカでは密猟も大きな問題となっているが、IBMはインターネットと機械学習を使って、密猟者の出現をリアルタイムで察知できるシステムを手がけているという。サイは、決まったルートしか徘徊しないが、ルートから外れて行動を始めれば、密猟者が出現した表れと判断し、自動的に密猟者を取り締まるチームを送り込むというものだ。
これらのプロジェクトは、いつ頃から実際に使えるようになるのか。
「多くの人が期待するよりも、かなり早期に実現すると思う、というのが僕の答えです」
「これらの問題は、もう何十年も解決できずにきたけれど、解決できる方法が分かり始めた。そして、プロジェクトごとに飛躍的な割合で解決されている。今後5〜10年の間に、幅広いアプリが使われるようになる」(タンメイ君)
今私たちは、将来の世代に大きな負担を残すような問題を多く抱えている。最先端の技術を問題解決のために生かすことを広めてくれる、タンメイ君のような世代がもっと必要になってきている。
タンメイ君は3月14、15日に開かれるSansan主催のビジネスカンファレンス「Sansan innovation project2019」のキーノートスピーカーとして登壇。「自動化が進む未来」をテーマに講演します。カンファレンスの詳細、申し込みはこちらまで。
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(文・津山恵子)
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