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概要:クルードラゴンに乗っていたのは貨物とダミー人形「リプリー」。もちろん、あのリプリーから名前を取った。
ISSとドッキングするスペースXのクルードラゴン(予想図)。
SpaceX
スペースXは3月2日、NASAの有人フライトのために開発された商業宇宙船を初めて打ち上げた。
宇宙船クルードラゴンは3日朝、もう1つのハードルをクリア。国際宇宙ステーション(ISS)に初めてドッキングした。
今回の飛行は無人で行われ、クルードラゴンの内部には貨物とダミー人形のみ。だがISSのクルーはハッチを開け、クルードラゴンを歓迎した。
「宇宙飛行の新時代にようこそ」とクルードラゴンの中からISSのクルーは述べた。
クルードラゴンは8日、地球に帰還する予定。
スペースXはISSに人を送るための商業宇宙船を開発、製造、打ち上げ、そしてISSとドッキングさせた最初の会社となった。
スペースXはアメリカ東部標準時3月2日午前2時49分に7人乗りの宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げた。クルードラゴンは地球軌道上にあるISSに向かった。
数回のセーフティチェックの後、スペースXはクルードラゴンをISSに近づけ、東部標準時3日午前5時51分、ISSのドッキングノードにソフトにコンタクト、6本のアームをISSに掛けた。11分後、クルードラゴンはISSのノード2にしっかりと固定された。
クルードラゴンにはハッチを開ける乗組員は乗っていなかった ── 今回、乗っていたのは400ポンド(約180キログラム)の貨物と「リプリー」と名づけられたダミー人形のみ。だが、NASAは、スペースXの今回のフライト「Demo-1」はアメリカの宇宙飛行士を再び宇宙へ送るための「重要なファーストステップ」と語った。Demo-1の目的は有人フライトにむけての安全性を証明すること。
「宇宙飛行の新世代がクルードラゴンのISSへの到着とともに今、始まった」とNASAのジム・ブライデンスタイン長官は4日、ツイッターに投稿した。
「この歴史的な偉業により、我々はアメリカのロケットでアメリカ人宇宙飛行士を宇宙に送ることにさらに近づいた。皆、おめでとう」
クルードラゴンの到着を祝うISSの宇宙飛行士。2019年3月3日。
NASA TV
ISSにドッキングしたNASAの最後の宇宙船はスペースシャトル「エンデバー号」、2011年7月のこと。
3月3日、クルードラゴンはISSのノード2にドッキング。ノード2はスペースシャトルがよく使っていたドッキングノード。
現在、ISSに搭乗している3人の第58次長期滞在クルーにとっても象徴的な出来事になった。3人はクルードラゴンのハッチを開け、午前8時7分、クルードラゴンの中に入って、到着を祝った。その様子はNASA TVでライブ中継された。
「美しい光景だった」とクルーの1人、カナダ人宇宙飛行士ダビッド・サン・ジャックは語った。
「今日、我々はISSにまったく新しい宇宙船を迎え入れた。我々はより遠くの宇宙を探検するための新しい道具を手にした。素晴らしい1日、次世代の宇宙探検家にとって新時代の1日目となった」
「宇宙飛行の新時代にようこそ」
地球の形をしたぬいぐるみで遊ぶISSクルーのアン・マクレイン。後ろにダミー「リプリー」が見える。
NASA TV
第58次長期滞在の船長はロシア人宇宙飛行士のオレッグ・コノネンコ。クルードラゴンの「歓迎イベント」では同氏がまず口火を切った。
「クルーを代表して、この極めて重大なイベントに関して、アメリカ合衆国とNASAにお祝いを言いたい。歴史的な一歩。我々人類の歩みは、地球軌道を超えて月へ、火星へ、そして未来へと続いている」
次にダビッド・サン・ジャックは、何千人もの、何年にもわたる取り組み、そしてスペースXとNASAの緊密な協力がこのドッキングを成し遂げたことを讃えた。
最後にアン・マクレインは「こうしたイベントは、我々の違いよりも、似ていることを思い出させてくれる。そして、恐れや脅威、共通の敵を作らなくても、大胆な努力によって団結できることを思い出させてくれる。飽くなき好奇心が知らないこと、やったことがないことに挑戦させてくれる」と述べ、仲間のクルーとクルードラゴンの中に浮かんで見せた。
「これらの素晴らしい偉業は、我々のミッションがいかに簡単かではなく、我々人類がいかに困難なことを成し遂げられるかを示している。宇宙飛行の新時代にようこそ」
via Gfycat
クルードラゴンの初フライトに残る難しい課題
クルードラゴンのミッションはISSへのドッキングで終了ではない。NASAが有人フライトを認めるためには、スペースXは手順どおりの着陸を含め、いくつもの課題をクリアしなければならない。
打ち上げとISSとのドッキングは2日、マスクがDemo-1ミッションの中で「最も難しいこと」と述べたこと。だが、ドッキングの解除、軌道からの離脱、そして着水も難しい課題。
ISSのクルーは7日にクルードラゴンのハッチを閉じる予定、その後、8日の午前2時にISSを離脱。8日の午前7時30分頃にケネディ宇宙センター近くの大西洋上に着水する予定(主要な行程はライブ中継される)。
スペースXがDemo-1ミッションを大成功させれば、スペースXにとって大きなターニングポイントとなる。
イーロン・マスクとNASA長官、およびNASAの宇宙飛行士たちがDemo-1ミッションの打ち上げ前に39A発射台を視察。後ろにクルードラゴンが見える。
Joel Kowsky/NASA
「スペースXの最終的なゴールは有人宇宙飛行、そして宇宙探検テクノロジーを発展させること ── これこそが当社のフルネーム、Space Exploration Technologies」とマスクは2日、打ち上げ後の記者会見で述べた。そしてマスクは次のように付け加えた。
「17年経った、だが我々はまだ人を打ち上げていない。今年後半には実現できると期待している。これはまさに、私とスペースXの多くの人にとって、長い間の夢の集大成となる」
Demo-1で集められたデータは、Demo-2と呼ばれる有人の実験フライトを行う新しいクルードラゴンの改良と仕上げに使用される。
スペースXとNASAは7月に初の有人フライトを行う予定、ISSに向けてベテラン宇宙飛行士のボブ・ベンケンとダグ・ハーレイを打ち上げる。
「信じられないくらい格好いい宇宙船」とハーレイは1日、ケネディ宇宙センターで記者に語った。スペースシャトルよりも「かなり直感的」。
ハーレイは、シャトルにはノブ、ボタン、ダイヤル、スイッチなどが約2000個あったが、クルードラゴンは約30個と語った。
「我々は数年間、努力を続けてきた。今日、打ち上げの成功を見たことは、この先の大きな自信を間違いなく与えてくれた」
※敬称略
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[原文:SpaceX just docked the first commercial spaceship built for astronauts to the International Space Station — what NASA calls a 'historic achievement']
(翻訳、編集:増田隆幸)
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