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概要:リンクアンドモチベーションが、Oneteamを事業買収。目的は、幸せなチームをつくる新規事業だ。
リンクアンドモチベーションが、事業買収により次の主力事業の一つに据えるのは「チーム」だ。リンクアンドモチベーションの麻野耕司取締役(左)と、Oneteamの佐々木陽代表。
組織コンサルのリンクアンドモチベーションは4月3日、社内コミュニケーションツールのベンチャー企業、Oneteamの主力事業を買収すると明らかにした。自社の組織改善ツール「モチベーションクラウド」と組み合わせることで、新たな組織支援サービス「チームクラウド(仮)」を開発。今夏にも提供開始するという。買収金額は非公表。
両者は「全ての組織を変革したい」という1点で、一致。M&A(企業の合併・買収)としてはわずか2カ月という異例のスピードでタッグを組むことを決めた。リンクアンドモチベーションの麻野耕司取締役と、Oneteamの佐々木陽代表に、その舞台裏と戦略を聞いた。
リンクアンドモチベーション:2000年にリクルート出身の小笹芳夫氏(現会長)が設立。東証1部上場の日系の経営コンサルティング会社。組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を主力事業に、組織コンサルを提供。連結売上高369億円(2018年12月期)。
お互いのビジョンの一致に電気が走った
「将来の組織はどうあるべきか、お互いの考えを話したときに電気が走った」
Oneteamの佐々木氏は2年前の、麻野氏との出会いをそう表現する。
麻野氏は、リンクアンドモチベーションの主力事業である「モチベーションクラウド」を成長させた立役者。4月に出版した著書『THE TEAM 5つの法則』でも「チームを産業にしたい」と記すほど、チームづくりの重要性を提唱する、組織変革コンサルのプロフェッショナルだ。
組織の状態を数値化してきたモチベーションクラウドと合わせて、チームクラウド(仮)では改善策を処方できると言う。
一方の佐々木氏は、リクルートを経てOneteamを設立。職場のコミュニケーションツール「ONETEAM」を開発した。
「ただのコミュニケーションツールで終わるのではなく、ウラ側のデータを経営指標に活かせるサービス」をうたってきた。現在、約800社が導入している。
“電気が走る”ほど両者が一致したのは、「エンゲージメント(個人と組織の絆)の向上」というサービスの目標地点だ。
「事業計画書を見せてもらった時に、そのビジョンがあまりにも自分たちの描いているものと一致していたのです。思わずこちらの事業計画もその場でみてもらったほど」
麻野氏がそう、振り返る。
「診断ツール」(モチベーションクラウド)と「変革ツール」(ONETEAM)で手段は違えど、目指す山は同じだった。その場で両氏はお互いに、相手のサービスを自分のチームに導入することを決めたという。
それから2年が過ぎた。
わずか2カ月の急ピッチ進行
登る道は違えど、目指す山の頂きは「エンゲージメントの向上」という価値の提供だった。
「話に来てもらった時には、すでに心は決まっていました。もともと(ONETEAMを)使ってみて、ああ、いいな。こういうのうちでもできないかなと思っていたので、運命だ、と」
2019年1月末、佐々木氏が「何か一緒にできないか」と訪ねて来た時点で麻野氏は、Oneteamに傘下に入ってもらうことを決めていた。
「トップから一人ひとりのメンバーへの発信ももちろん大事ですが、これからは1対1、横のつながりの強度が大事になる」(佐々木氏)組織の状態をモチベーションクラウドで数値化し、その改善策をONETEAMで数値化する。こうしてテクノロジーの力で、再現性のある組織づくりを広めていく——。
チーム改善の方策も、数値で示せると、佐々木氏は考えた。
肝の考え方で一致していたため、そこからは早かった。リンクアンドモチベーションによる、ONETEAMの事業譲受という形のM&Aを、急ピッチで進行。新年度に間に合わせたいという一心だった。
新元号が「令和」と発表された4月1日には、すでに佐々木氏は、東京・銀座のリンクアンドモチベーション社内の麻野氏の目前の席で仕事をしていた。
医療のようなチーム診断の仕組みを
こうして両者が今夏に向けて、開発中の「チームクラウド(仮)」は、具体的にはどんなサービスになるのか。現時点で詳細は明かせないとしながらも麻野氏は、こんなイメージを示す。
Vorkers(2018年にリンクアンドモチベーションの持分法適用会社化)で組織の「健康診断」を行い
モチベーションクラウドで組織を「精密検査」
開発中のチームクラウドで「薬」を処方し
組織コンサルティングで「手術」を行う
「ベンチマークするような競合の会社はないんです。例えるなら、医療産業」
麻野氏は世界のHRテック市場でも「エンゲージメント」の分野は、ブルーオーシャンであるとみている。
「全ての人が健康診断を受け、問題が見つかれば病院で治療を受けられる。こうした医療の進歩により、100年前に31歳だった世界の平均寿命は70歳になっています。目指すのはそこです。100年後に、え?昔はそんな会社ばっかりだったの?と言われるくらい、全ての組織を変革したい」
時代の大きなテーマとなるか
平成から令和へ。日本社会はどんな変化を体験するのだろうか。
beeboy/Shutterstock
高度成長期の大量生産・大量販売体制下であれば、新卒一括採用・終身雇用・年功序列で、多くの会社は組織を回してこられたかもしれない。
しかし今は、経済は成熟化。ITやサービス業がメインになるなど、産業構造は変化の時期を迎えている。多くの企業がこうした環境変化を体感し、組織戦略の見直しを迫られている。
「今、組織がうまく行かなくて悩んでいる人、苦しんでいる人はものすごく多い」と、麻野氏は言う。
奇しくも「和」の字が含まれた令和の時代は、環境変化とあいまって、チームが大きなテーマの一つになるかもしれない。
(文・滝川麻衣子、写真・今村拓馬)
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