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概要:ドイツ銀行とコメルツ銀行は、合併に向けた協議を終了した。これまでの取り組みで業績立て直しに失敗している両行の将来に疑問符が付く展開となった。
Photographer: Alex Kraus/Bloomberg
Photographer: Alex Kraus/Bloomberg
ドイツ銀行とコメルツ銀行は、合併に向けた協議を終了した。これまでの取り組みで業績立て直しに失敗している両行の将来に疑問符が付く展開となった。
ツィールケ・コメルツ銀CEOとゼービング・ドイツ銀CEO
撮影:Alex Kraus / Bloomberg
合併合意に至らなかったことを受け、ドイツ銀は2015年以降で5回目となる再建計画を打ち出し、いかに成長を回復し株主リターンを高めるかを投資家に示さなければならなくなった。ドイツ政府が15%を保有するコメルツ銀は今後、外国銀行に買収される可能性がある。オランダのINGグループやイタリアのウニクレディトが関心を示しているとされる。
フランクフルト市場でドイツ銀株は一時4.8%高となった。コメルツ銀は一時3.7%下落。
25日の発表によると両行は、事業統合は実行が困難過ぎると判断。再編コストがかさむほか、追加資本の必要性も考慮した。ドイツ銀は「長期的な収益性と株主リターンの向上に向けた他の選択肢」の模索を続けると表明した。
ジェームズ・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO)はインタビューで、「やがては業界で統合が進むと考えており、ドイツ銀はそこに参加したい」と語った。
ドイツ銀は26日に1-3月(第1四半期)決算の詳細を発表するが、この日示した概要によれば、投資銀行の減収が続き、業績悪化傾向は今年も続いたもようだ。市場環境は四半期の終わりにかけて改善し、同行は正しい方向に進んでいると、クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は行員向け文書で伝えている。
発表によると、第1四半期純利益は2億ユーロ(約250億円)の見込み。収入は64億ユーロ(前年同期は70億ユーロ)、投資銀行部門収入は33億ユーロ(同38億ユーロ)。
ゼービングCEOとコメルツ銀のマルティン・ツィールケCEOは3月半ばから合併について協議してきたが、交渉について明らかにした直後から労働者代表からの反対と主要株主からの強い批判にさらされた。事情に詳しい関係者によると、ドイツ銀のゼービングCEOは交渉が正式に終了した時点で株主に示すための代替計画について既に作業を進めている。
両CEOは発表文で「徹底的な分析の末、このような大規模な統合に伴う追加の執行リスク、事業再編コストおよび必要資本を相殺するのに十分なメリットが合併から得られないとの結論に達した」と説明した。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)は、両行とも「監督当局が想定する健全で安定した銀行の要件を満たす」とし、両行の再編努力は「前向きな結果の萌芽(ほうが)を見せつつある」と投資家の不安払拭(ふっしょく)に努めた。
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