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概要:中国のタクシー配車サービスのDiDiは、大阪に続き東京と京都での正式サービス開始を発表。2019年度内には13都市での展開を目標とするDiDiの戦略とは?
国内ではタクシー配車サービスを展開するDiDiが、ついに東京と京都で正式サービスを開始する。
中国の配車アプリ大手の滴滴出行とソフトバンクのジョイントベンチャー、DiDiモビリティジャパン(以下、DiDi)は4月24日、サービス地域の拡大、新キャンペーンおよび新機能などを発表した。
今回、東京と京都で正式スタートとなるエリア。
DiDiは2018年7月に日本上陸を発表。同年9月27日から大阪でサービスを開始。その後、各地で実証実験を行ってきた。今回の発表のタイミングで23区および武蔵野市、三鷹市、成田空港といった東京エリア、旧北桑田郡京北町の区域を除く京都市域交通圏でのタクシー配車サービスが正式開始となった。
同社は今後、現状の3エリアに加えて、北海道、兵庫県、福岡県などでのサービスインを予告。2019年度内に現状に加える形で、全国10都市(累計13都市)での展開を目標としている。
“ソフトバンク”グループのシナジーが表面化
DiDiは中国の配車アプリ大手の滴滴出行とソフトバンクのジョイントベンチャーだ(写真は2018年7月撮影。左からDiDiモビリティジャパン社長のStephen Zhu氏、ソフトバンク社長の宮内謙氏、滴滴出行プレジデントのJean Liu氏、DiDiモビリティジャパン取締役副社長の菅野圭吾氏)。
今回DiDiが発表・予告した新機能やキャンペーンを整理すると以下のとおりだ。
各種キャンペーンの概要
東京エリア内で「迎車料金無料キャンペーン」を実施
実際に乗車すると、メーター上では迎車料は加算されているが、アプリ内決済時に迎車料分を割引
京都エリアでは「初回利用キャンペーン」を実施
DiDiを初めて使うユーザーが、アプリ内で表示されるコードを入力すると1000円分の割引クーポンがもらえる
東京と京都のキャンペーンはどちらも、開始時期は4月24日から。終了時期は未定
都内のタクシー配車サービスでネックになっていた迎車料を実質無料に。
ユーザー(乗客)向けの新機能
スマートフォン向けアプリ「Yahoo!乗換案内」の経路検索結果から直接DiDiアプリを呼び出し可能に
DiDiの利用実績に応じてポイントやランクを付与する会員プログラムを2019年夏開始予定。ポイントはDiDi内で使えるクーポンに交換可能
5月末以降、アプリ内決済でPayPayを選択可能に。PayPayがコード決済以外に対応するのは初めて
PayPayとは6月中旬以降にキャンペーンを実施予定
同じソフトバンク傘下であるキャッシュレス決済・PayPayとの連携を強化。
タクシードライバー向けの新機能(順次実装)
未来の需要を地図上で可視化するヒートマップ機能
帰庫するまでの経路上でピックアップおよび到着できる乗客だけを受注できる「GoHome」機能
乗客を乗せている状態で配車処理を行い、乗車終了と同時に次の配車へスムーズに移れるバックグラウンド配車機能
ドライバー向け機能の一部は既に中国やグローバルでは提供しているもの。
とくにユーザーに対する機能面を見てみると、PayPayやヤフーといったソフトバンクグループのシナジーを強く感じる。DiDiの取締役副社長を務める菅野圭吾氏は提携の理由を「異業種でありながら、ユーザーに便利な環境を提供するフィロソフィーは同じため」と語っている。
支払いというシーンは、タクシー配車サービスの重要な体験のひとつだ。PayPayとの連携は、昨今注目が集まるキャッシュレスの波に乗るだけではなく、“目的地に着いたら、車から出るだけ”という快適なユーザー体験を実現するための選択肢のひとつになり得る。
DiDiとPayPayの連携はある意味、象徴的(写真左からDiDiモビリティジャパン取締役副社長の菅野圭吾氏、PayPay社長の中山 一郎氏)。
一方で、競合のタクシー配車サービスではDiDi同様クレジットカードはもちろん、アップルの「Apple Pay」やグーグルの「Google Pay」対応、アプリ内決済ではないものの「LINE Pay」やNTTドコモの「d払い」など多様な決済サービスに対応している事業者もいる。
この点について菅野氏は「いろいろなパートナー、サービスと連携する用意がある。DiDiはもともとオープンプラットフォームのサービス」と、ソフトバンク系サービスとの関係は独占的ではないとした。
乗客とタクシー会社、双方にメリットのあるサービスを目指す
大阪で半年間にわたって実績を積んだDiDi。
発表会では、約半年間にわたる大阪での実績についても触れられた。配車回数は毎月60%ずつ増えており、DiDiがサービスインした直後の2018年10月と2019年3月の配車回数を比べると10倍に延びている。
さらに、DiDiのユーザーの約半分程度は20〜30代と、従来のタクシーユーザーと比べて比較的若い層の利用が進んでいることも公表した。
また、別のメリットとして、DiDiがもともと中国の配車サービスであることもポイントだ。中国の滴滴出行ユーザーは、中国版アプリを使って日本でタクシーを呼び出すことができる。実際、大阪でのサービスイン以降、中国人観光客の利用は進んでおり、中国の祝日にあたる国慶節(10月)と春節(2月)には利用者数が増加したという。
縦軸の単位は不明ながら、中国人観光客にも効果あり、だとした。
プラットフォーム事業者であるDiDiが向き合っているのは、ユーザーだけではない。タクシードライバーを取りまとめるタクシー会社も重要な顧客だ。
これまで実証実験で展開していた、東京や京都での正式スタートは、DiDiを導入したタクシー会社との契約が進んだからだ。
タクシー会社がDiDiを選ぶ理由も必要。
その際に、協力な交渉材料となったのが大阪での実績だった。
発表会では会社名までは明かされなかったが、大阪の事業者を例に挙げ、DiDi導入前後である2018年3月と2019年3月で比較すると、全体の走行距離は変わらないものの実車率(走った距離に対し、客を乗せた状態で走った距離の割合)は5%向上、営業収入(売り上げ)は10%向上したと発表している。
走行距離が変わらず、収入や実車率が増えているということは、タクシー事業の生産性が上がったということ。
菅野氏はDiDiの今後の戦略について「マスをとっていくには、タクシー会社が必要。ユーザーも必要。いかのこの2つのバランスをとれるか」と語り、同社が強みとする技術力でユーザー、タクシー会社双方に価値のあるシステムの提供を目指している。
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