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概要:イノベーション(技術革新)の波に中国は追い付けないと考える人々は、抽象論に基づいて議論しがちだ。硬直的な教育制度が創造性を抑え、「中国製造2025」など強引な産業政策は無駄と非効率を招くといった具合だ。だが、こうした懐疑派は、規模拡大に伴って洗練度合いを高める中国市場の現実から完全に目を背けている。
イノベーション(技術革新)の波に中国は追い付けないと考える人々は、抽象論に基づいて議論しがちだ。硬直的な教育制度が創造性を抑え、「中国製造2025」など強引な産業政策は無駄と非効率を招くといった具合だ。だが、こうした懐疑派は、規模拡大に伴って洗練度合いを高める中国市場の現実から完全に目を背けている。
中国経済は2008年から3倍、2000年に比べれば10倍に膨らんでおり、同国から世界をリードするようなテクノロジー企業が誕生する可能性は高くなっている。例えば、風力タービンで中国は世界最大の市場となったが、これは同国の再生可能エネルギー推進政策がきっかけだった。中国の多くの省は、人口で欧州の大国と肩を並べるが、こうした地方の調達計画が国内企業同士を競わせ、世界的競争力を持つ企業を何社も生む力となる。
市場の大きさは、非効率な政策さえ補い得る。中国当局は何十年も資金面を含めて支援してきたが、同国は半導体の設計・製造で後れを取っている。しかし、半導体を必要とする中国電機メーカーは今や、規模と技術で劇的な成長を遂げた。20年前、これらメーカーの大半は台湾のパソコン(PC)メーカーの組み立て作業を担っていたが、現在はファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)やレノボ・グループ(聯想集団)を合わせ、中国ブランドは世界のスマートフォン市場の40%前後、PC市場で25%のシェアを握る。
こうした企業が中国の半導体メーカーの力強いパートナーとなっている。ファーウェイ傘下の半導体設計会社ハイシリコン・テクノロジーズは最先端の半導体生産を今は台湾企業に委託しているが、中国本土の半導体メーカーは技術を向上させれば、自分たちがファーウェイから受注するチャンスが大きいと自覚している。20年前なら、中国半導体メーカーの顧客となり得る企業は国内には存在しなかった。
本土で売られているEVの大半が品質でまだまだだとしても、メーカーの参入ペースと活動水準がEV分野で中国の立場をいずれ強くする公算は大きい。南京に本社を置く新興EVメーカー、バイトンの共同創業者はドイツからやって来た元BMWエンジニアで、中国を選んだ理由は市場の規模と政府による支援という。巨大市場はテクノロジーに熱くなる起業家のみならず、資本投資を進展させ、サプライチェーンの形成を促す。
もちろん本土市場の大きさに企業が安住してしまう恐れはある。韓国勢がグローバル企業になったのは紛れもなく、規模が比較的小さい国内市場に頼れず、海外に打って出る必要があったからだ。
中国の消費者は一段と豊かになりつつある。購入時の品定めも厳しさを増し、品質向上も求めてくる。米国が20世紀初頭までに工業・技術大国となった理由の一部に、巨大な国内市場を抱えていた事実を忘れてはならない。
中国の産業計画や技術革新能力を巡る可能性は、こうした環境変化を踏まえた上で考察されなければならない。過去にうまくいかなかった政策も、今なら成功する確率は高いかもしれない。中国市場の規模も、そうした見通しを測る良い指針になるだろう。
(ダン・ワン氏はギャブカル・ドラゴノミクスの北京在勤アナリストでテクノロジーを担当しています。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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