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概要:夏は涼しく、冬暖かい。エコガラスの効果はそれだけではない。開発から約半世紀、エコガラスの実力はどれほどなのだろうか。インフォグラフィックで見てみよう。
省エネにとどまらず、最近ではSDGs(持続可能な開発目標)という点からも注目が集まるエコガラス。自宅、オフィス、商業施設の窓。私たちが普段何気なく目にしているガラスは、「エコガラス」へと進化しているのをご存じだろうか。エコガラスとは何か、その実力と歴史、そしてこの先の可能性について、日本のエコガラス開発を進めてきたAGCに聞いた。
エコガラスで得られる5つの効果
エコガラスの主な効果、メリットは5つ。
まず、「経済効果」がある。エコガラスによって冷暖房費が削減できるため、東京都の戸建住宅の場合、光熱費の削減効果は見込みで年間約5万円。
その次に、「遮熱効果と断熱効果による快適さ」。エコガラスは、1枚ガラスの窓に比べ、日差しの暑さを約1/2に抑える(1つ目の効果:遮熱)。また冬は暖房で温まった室内の熱が室外に逃げてしまう割合を、1枚ガラスに比べ約1/3に抑えることができる(2つ目の効果:断熱)。
「太陽光による暑さを抑えるのが『遮熱』、室内からの熱の伝達を抑えて、室内の暖かさをキープするのが『断熱』です。ただし、完全に太陽光を遮熱してしまうと、冬の窓辺のポカポカした暖かさを感じられなくなってしまいます。また、求める性能も地域によって違うため、気候に合わせた製品ラインナップがあります。断熱型、遮熱型のそれぞれで使用する金属膜の種類や層の数が異なります」とAGCで住宅用ガラスの開発部門のチームリーダーを務める遠藤裕司氏は話す。
4つ目のメリットは「結露防止」。結露はガラスの表面と、室内の空気の温度差が大きいときに生じるが、エコガラスを入れることで室内と室外を「断熱」し、窓の表面の冷たさが緩和されるため、結露しづらくなる。
5つ目は「CO2削減」。エコガラスは環境面でのメリットも大きい。日本に今ある戸建て住宅約5000万戸のうち、エコガラスが導入されているのはわずか5%*しかないが、これがエコガラス住宅に置き換わると、大きな省エネ効果が見込めるという。
*国交省資料より。ここでの「エコガラス住宅」とは、1999年基準および2013年基準を満たした住宅のことを指す。
エコガラスはこう進化してきた
エコガラスの原点は、熱線反射複層ガラス。これはガラスに熱線反射効果(日射による眩しさや室温上昇を抑える効果)のある金属イオンをコーティングした複層ガラス(2枚のガラスの間に空気層を含んだ構造のガラス)だった。その後、1987年に旭硝子(現・AGC)が断熱性能の高い特殊金属膜をコーティングしたLow-E(低放射)複層ガラスを発売。これがエコガラスのスタートだ。
「エコガラスが一般住宅で普及し始めたのは1990年代。それまでは、家の窓に省エネが必要という概念がありませんでした。普及が進んだのは直近10〜15年で、現在は新築戸建て住宅の8割でエコガラスが使われています」(前出の遠藤氏)
一方でエコガラスが大型ビルで使われ始めたのは21世紀に入ってから。それまでのガラス性能では、夏は暑くて冬は寒いので、ビルの温度調整はエネルギーのかかる空調設備に頼っていた。そのため、大型ビルはガラス窓の面積が現在と比べると限られていた。
しかし、エコガラスのような省エネ性能の高いガラスができたことにより、全面ガラス張りのような、省エネとデザインを両立したビルを建てられるようになったのだ。東京・八重洲にあるパシフィックセンチュリープレイス丸の内が、エコガラスを使った最初の大型ビルと言われている。
アジアでの普及に挑戦していきたい
AGC株式会社 ビルディング・産業ガラスカンパニー アジア事業本部 技術・製造統括部 商品開発部門 チームリーダーの遠藤裕司さん。
エコガラスが登場する以前は、暑い夏場は日差しの影響で室温が上昇しやすく、一方で寒い冬場は窓辺を避けて過ごすこともしばしば。エコガラスの登場によって、冷暖房をつける頻度が減ったり、結露した窓を拭く手間や時間も削減できるというメリットも生まれた。また、エコガラス住宅なら家の中の温度差が抑えられ、急激な温度差により血圧が大きく変動することで引き起こされるヒートショック現象の抑制も期待できるだろう。
AGC本社には省エネ性能に優れたエコガラスである「サンバランス」が展示されている。温度の違いを体感できるようになっている。
新築戸建て住宅では8割で、エコガラスが使われるようになった。現在は既築住宅でのエコガラスへの取り替えに力を入れているが、課題もある。エコガラスに限らず、窓ガラスの存在は普段あまり意識しない人がほとんど。住宅をリフォームする際も、ガラスは後回しにされることが多い。さらに「ガラスは取り替えにくい」というイメージがあるため、AGCでは簡単に取り替えられる商品を販売している。
さらに、AGCは今後日本だけでなく、アジアなど日本より普及が遅れている国にもエコガラスを展開していく。
「国によって気候も異なりますし、国民の嗜好性も違います。さらに省エネ規制も異なるので、それに合わせた商品開発が急務です。AGCはこれまで日本全国の様々な地域の気候に適したエコガラスを提案してきました。この技術を応用し、現在はより幅広い気候を持つアジア地域でエコガラスを浸透させていきたいと思っています。我々はインドネシアとタイに自社工場を持っているので、これらの地域をベースにアジアのマーケットをさらに開拓していきたいと考えています」(遠藤氏)
今後もさらなる技術革新を進めるとともに、その機能や効果を日本国内にとどまらず広めていきたい ──。お客様のニーズを汲み取り、ニーズに合った商品開発と普及のために日本、アジア各国を駆け回っているという遠藤氏。AGCの挑戦は続く。
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