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概要:メルカリは開発中のスマートグラス向けアプリを来週にも一般配信開始する。なぜいま、β版とはいえスマートグラス向けアプリを研究するのか。メディア最速体験の実機インプレッション。
ホロレンズ2(左)とMagic Leap One。メルカリレンズ開発時はホロレンズ2はまだ未発表だったが、コンセプトは初代機から変わっていない。日常生活向きじゃないという意味は、この写真をみればわかるだろう。
Vuzixのアプリストア。5月23日時点でBlade向けアプリは20種類あまりが公開されている。
Blade上で動き、メルカリの写真検索APIにつながるメルカリレンズの開発は、開発期間の短さだけではなく、ハードウェア特有の難しい部分もあったようだ。
特にBlade上で動くAndroidは、バージョンが5.1.1という、スマホでいえば5年前のOSのため、開発環境としても癖が強いと言う。既存のメルカリ本体のコード(プログラム)の移植が困難なため、基本的にフルスクラッチでつくっている。
Blade上で動く画像認識まわりの技術は、グーグルの組み込みデバイス向けの機械学習フレームワークの「TensorFlow Lite」と、それを使った「Object detection」(物体検出)を採用している。
現状、物体検出できる物体カテゴリーは「スニーカー」など2種類のみ。それ以外の物体は単純にカメラ映像を切り出して、画像検索する仕組みにしている。
認識できる物体カテゴリーが増えると、検索精度と検索スピードがより早くなる。カテゴリー数を増やすアプローチも、今後進めていきたいと諸星さんは言う。
アップルやグーグルの「スマートグラス」を意識
2017年末のメルカリR4D発足イベントの様子。落合陽一氏や、量子コンピューター研究者の大関真之准教授(東北大学大学院)、東大特任准教授のスプツニ子!氏ら業界で著名な若手研究者、日本のインターネットの父、村井純氏(慶應義塾大学環境情報学部教授)ら著名人が並ぶ。
何のためにメルカリはスマートグラス向けのアプリを開発しているのか? 諸星さんは「Bladeだけのためにつくってるアプリじゃない」と語る。
ここ数年、アップルがスマートグラスを開発しているという噂はずっと囁かれているし、グーグルも今週、5月20日にGoogle Glassの最新版「Google Glass Enterprise Edition 2」を突如発表したりもしている(諦めてなかったんだ、と驚いた人は多いはず)。
こうした各国テックジャイアントのトレンドの先にある出来事をイメージしながら、メルカリは動いている。
「(なぜ今、メルカリレンズをやるのかといえば)将来、アップルやグーグルから(一般向けの)スマートグラスが発売されたときに、すぐに対応できるように。ハードが世に出てから動き始めても遅いんです。
(スマートグラスのアプリ開発というと)“遊び”だと思われてしまう部分もあるかもしれませんが、我々はあくまで本気でやってます。
(AWEに出展するのは)小さく、狭く国内でやるより、世界を相手に(xRの最先端の世界で)戦った方が良いんじゃないか、ということです。メルカリの考え方として“Go Bold”ということもありますから」(諸星さん)
その意味では、Blade向けのアプリをずっとメンテナンスしてアップデートしていきたいというわけではない。
いまBladeに飛びついたような人は、国内外問わず、開発者寄りの人か、自ら進んで最先端を体験したい「アーリーアダプター」な人が大半だろう。そういう人に向けて、メルカリの技術と名前を発信し、最先端の動向を「手を動かして業界内部からキャッチアップしておく」ことは戦略として一定の意味がある。
諸星さんは、他に有望なプラットフォームが出てきたらそれ用のメルカリレンズを開発していくこともあり得ると語る。
なお、AWE USA 2019のメルカリブースでは、このメルカリレンズ以外に、裸眼立体視デバイス「Looking Glass(ルッキングラス)」を使ってメルカリの出品物を3D表示するデモ体験や、MRゴーグル「Magic Leap One」を使って見ただけで服のサイズが推定できるシステムなどの参考展示も行う予定だ。
ルッキングラスを使った参考展示。このシステム用の特別なメルカリアプリでスニーカーを検索すると、写真右下に見慣れないアイコンが表示。これを選ぶと、ルッキングラス上に3Dモデリングされたスニーカーが出現する。「買う前に触る」ような3Dショッピング体験をイメージしている。
モーションセンサーと組み合わせることで、スニーカーを掴んで向きを変えたり、指先で弾いたりといった直感操作ができる。画面に写っているCGは手の指のモーションキャプチャーだ。
ともかく一つわかったのは、メルカリは、そう遠くない将来に実現するかもしれない「スマホの次」のスマートグラス時代も想定して、即対応できるような準備を進めているということだ。
Bladeをもっているような超アーリーアダプターの人は、ぜひ配信開始をお楽しみに。
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(文、写真・伊藤有)
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