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概要:米国株のポートフォリオには経済的・地政学的な不安が大きく膨らんでいるため、モメンタム銘柄からバリュー株への資金移動は当面継続する公算が大きいと、JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏が述べた。
米国株のポートフォリオには経済的・地政学的な不安が大きく膨らんでいるため、モメンタム銘柄からバリュー株への資金移動は当面継続する公算が大きいと、JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏が述べた。
コラノビッチ氏によると、ヘッジファンドはショート(売り持ち)ポジションを積み上げることによって株式へのネット・エクスポージャーを今回のサイクルで最低の水準に押し下げてきた。英国の欧州連合(EU)離脱や香港に絡むリスクが後退し、経済指標の改善が見られる現時点では、今年の株式反騰相場を逃した運用者が、来月の米中貿易交渉再開まで続くと見込まれる上昇で挽回(ばんかい)を狙う可能性があるという。
顧客向けのメモで同氏は、「米中交渉の行方は分からないが、記録的に低いポジショニングから株式相場が上昇できる期間は9月に3週間ある」との見方を示し、「記録的な高水準にあるグロス・エクスポージャーと記録的低水準のネット・エクスポージャーを考慮した場合、ネット・エクスポージャーが上昇する最も可能性の高い展開はショートの解消だ。先日見られたのは、まさにこの動きで、これが続く余地は大きいと考えている」と分析した。
9日の市場で、バリュー株のモメンタム株に対する上昇率はここ数年で最大の部類に入り、JPモルガンによると統計的にはめったに起きない規模だという。これほどの急転換はバリュー株に向かう動きを強める公算が大きいと、コラノビッチ氏は語った。
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