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概要:低利回りが長期化する中で利益確保に苦戦する日本の地方銀行の一部は、リスクの高いクレジット商品へとますます踏み込みつつある。ジャンク級(投機的格付け)に近い外債やローン担保証券(CLO)などだ。ブルームバーグがまとめた調査で分かった。
低利回りが長期化する中で利益確保に苦戦する日本の地方銀行の一部は、リスクの高いクレジット商品へとますます踏み込みつつある。ジャンク級(投機的格付け)に近い外債やローン担保証券(CLO)などだ。ブルームバーグがまとめた調査で分かった。
地方の人口減少で打撃を受けている地銀は、政府が業界統合を促す中で生き残りを模索している。投資銀行業などへの多角化によってマイナス金利の痛みを緩和できるメガバンクと異なり、地銀にはそのような業務シフトを行う資源がない。
地銀の資産はこれまで日本国債が中心だったが、低利回りが伝統的に保守的な地銀の国債離れ、リスク資産への傾斜を促している。調査に答えた地銀29行のうち5行が、トリプルB級格付けの外債を購入したと回答。トリプルBは投資適格の中の最低水準だ。2行はCLOを保有していると回答した。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスのシニアクレジットオフィサーの佐藤俊作氏は、銀行が収益性の悪化を軽減するために利回りの高い、高リスク貸し出しを増やすことで資産の質が弱まるだろうとの見解を示した。
もはや日本国債保有せずとの回答も
調査では20銀行が日本国債保有を劇的に、または若干減らしたと回答。1行はもはや日本国債を保有していないという。住宅ローン担保証券(MBS)や相対的にクーポンの高い東京電力パワーグリッド債を購入したという回答もあった。
S&Pグローバル・レーティングの吉澤亮二シニアディレクターは、「追い込まれてるところはよりディープなところをいってる。規模が小さめで収益の落ち込みが高いところは意外とそうなってるところが多い」と指摘。「今リスク量を取りにいってるので、われわれの想定を超えることがないか、当然信用力を変えなければならない。そこは注意してモニタリングしている」と語った。
ブルームバーグの調査は主要地方都市に支店を持つ地銀を対象に、11月後半から12月前半にかけて実施した。
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