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概要:日本政府は緊急事態宣言を今月31日まで延長したが、新たな支援策の追加はなかった。持続化給付金や雇用調整助成金などで対応可能と政府は判断しているようだが、手続きの煩雑さなどで申請を諦めてしまった人も多く、経営破綻の多発が懸念される。この事態を回避するため、飲食店などの事業者だけでなく、アルバイトなどを解雇された人も対象にした「家賃モラトリアム」制度を早急にまとめ、速やかに施行すべきだ。 このままでは、飲食店と家主が共倒れとな
田巻一彦
[東京 7日 ロイター] - 日本政府は緊急事態宣言を今月31日まで延長したが、新たな支援策の追加はなかった。持続化給付金や雇用調整助成金などで対応可能と政府は判断しているようだが、手続きの煩雑さなどで申請を諦めてしまった人も多く、経営破綻の多発が懸念される。この事態を回避するため、飲食店などの事業者だけでなく、アルバイトなどを解雇された人も対象にした「家賃モラトリアム」制度を早急にまとめ、速やかに施行すべきだ。
このままでは、飲食店と家主が共倒れとなり、住む場所を失う学生や非正規雇用の人々が大量に発生しかねない。政府・与党は前例にとらわれず、大胆に決断してほしい。
<対象者線引きなら、手続きに時間>
与野党からは、すでに「家賃支援」のスキームが公表されている。自民党は緊急経済対策に盛り込み済みの無利子・無担保融資の資金を利用して家賃を支払った飲食店などのテナント入居者に対し、一定の範囲で公的金融機関が支払いを肩代わりする案を提示。具体的な限度額などを詰めている。
公明党は賃料を減免した家主に地方自治体がその何割かを補てんし、その部分に相当する金額を国が地方自治体に給付するスキームを検討している。
一方、野党が国会に提出した法案では、テナント入居者の賃料支払い分を公的金融機関が肩代わりするとともに、賃料減免に応じた家主に対しても国が免除した一部を補助する内容になっている。
与野党の案とも、前年に比べて収入が一定の割合で減少したテナント入居者が対象になっている。しかし、この対象者を絞るスキームでは、手続きや審査等に時間がかかり、迅速な対応が望めない。
また、自民党案のような無利子・無担保融資のスキームでも、その融資実行までに相当の時間がかかるとみられ、キャッシュを手にしないうちに飲食店などが資金ショートに直面するケースが出てくると予想される。
<家賃支払い困難者に猶予を>
そこで、支払い困難なテナント入居者が支払い猶予の意思表示を家主に行った段階で、支払い猶予が法的に成立する「家賃モラトリアム」法の制定を提案したい。
猶予期間は当面6カ月間とし、支払い猶予の通告を受けた家主は借入先の金融機関にその事実を通知し、金利と元金の支払いを猶予してもらう。金融機関は一定期間(例えばい1年間)後に損失を確定し、損失分を国が補てんすることにする。このスキームでは、テナント入居者や家主に面倒な手続きを強いることなく、支払い不能などによる倒産を防ぐことができる。
また、仕事を失った労働者やアルバイト先が見つからない学生など家賃を支払えなくなった人々を対象に、同様のスキームで家賃支払いの猶予を認める。このケースでは、一定の上限を設定し、3カ月ないし6カ月の支払い猶予分を国が負担する。
平時ではモラルハザードを生み出すとして、猛反対にあう提案であると考えるが、新型ウイルスの感染拡大の防止を最優先に、国が一定のビジネス自粛を求め、その結果として国民が不利益を被っている以上、「緊急事態」における緊急対応として、国が救済の手を差し伸べるべきだ。
今回の感染拡大では、経済的に弱い立場にある人たちが、真っ先に打撃を受ける構図が出来上がりつつある。政府は雇用調整助成金の効果を強調するが、中小・零細の企業経営者が事業の継続を諦めた場合、このスキームは使えない。
その上、申請手続きが非常に複雑で、膨大な説明書を読んで申請を断念したという個人経営者の例は、数えきれないほど存在している。
一部のエコノミストは5月末には失業者が急増しているとの試算を示しているが、倒産件数も激増しているだろう。
2020年度の第2次補正予算の編成とは切り離し、「家賃モラトリアム」法案を1日も早く成立させてほしい。政府が緊急事態宣言を解除し、自粛要請を終了させたものの、シャッターを開けない商店や飲食店が続出したということになれば、日本経済の回復が遠のくことを意味する。「時間との闘い」であることを政府だけでなく、与野党の国会議員が自覚してほしい。
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