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概要:ダウ工業株30種平均は今週、124歳の誕生日を迎える。市場関係者にとって、ダウ平均が高齢化しつつあることは言うまでもない。
ダウ工業株30種平均は今週、124歳の誕生日を迎える。市場関係者にとって、ダウ平均が高齢化しつつあることは言うまでもない。
由緒ある同指数と比較的新しい株価指数の間に生じているギャップを見れば、その年齢は隠しきれない。多くの高齢者がそうであるように、ダウ平均もテクノロジーについていくのに苦労している。一部には同指数がもはや21世紀の経済を、特に新型コロナウイルスの時代において全く反映できないのではないかとの声もある。
ニューイングランド・インベストメント・アンド・リタイアメント・グループのアソシエート・アドバイザー、ジョン・ハム氏はダウ平均について、「大変多くの人が慣れ親しんでいるので存在し続けるのは明白だが、妥当性という意味では祖父の時代の指数だ」と語った。
新型コロナ感染拡大でニューエコノミー企業がヒーローとなった今の市場ほど、各指数間のギャップが顕著になることはめったにない。新たに英雄となった企業の恩恵を受けていないダウ平均は年初来で14%安の水準に沈んだままだ。一方、ハイテク株の構成比率が高いナスダック100指数は年初来で7%を超える上昇となっており、S&P500種株価指数も年初来で約9%安の水準まで持ち直した。
もちろん、ある指標が別の指標より上昇しているかどうかで判断するのは、株式市場のベンチマークとしての目的を誤解するものだ。2020年のパフォーマンスで上回るからと言って、S&P500種がダウ平均よりも優秀かつ有用なツールということにはならない。しかしそれでも、ロックダウン(都市封鎖)中の経済の勝者をあぶりだすことにはなる。アマゾン・ドット・コムやネットフリックスに代表されるようなオンラインで自動化が進んだ企業だ。
テクノロジー企業の優位性を背景に、指数間格差は顕著になりつつある。今年ここまで、ナスダック指数がダウ平均を1ポイント以上アウトパフォーマンスした日は17日を数えた。ブルームバーグの集計では、これは09年以降のどの通年よりもすでに多い。
指数間の格差は、指数連動型ファンドに投資する多くの投資家にとっても重要だ。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、世界中で約11兆2000億ドル(約1206兆円)の資金がS&P500種をベンチマークとしており、同指数に連動するパッシブファンドの額は計4兆6000億ドルに上る。ダウ平均をベンチマークとする資金は約315億ドル、同指数に連動するパッシブファンドの額は282億ドルだ。
ダウ平均はその名が示す通り、「工業株」の構成比率がS&P500種とナスダック指数に比べて高い。
それが、指数間格差に別の視点をもたらす。ダウ平均は巨大ハイテク企業に極端に偏っていないため、広範な経済を最も正確に映し出す指数と言えるかもしれない。アマゾンやネットフリックスの株価急騰は、2000万人余りが失業している現在の米国を反映したものでは確かにない。
エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ネラ・リチャードソン氏は「新型コロナは実際に経済のあらゆる種類の不平等を増幅させているが、市場集中という点では市場の不平等も増幅している」と指摘。「株価回復は一握りの企業に非常に集中している。ほとんどの企業はまだ弱気の領域にある」と述べた。
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