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概要:欧州中央銀行(ECB)は28日、ユーロ圏の銀行に対し、今年末まで配当の支払いを停止するよう求めた。また流動性・資本バッファーの要件未達を認める期間を延長する方針も示した。 ECBは、新型コロナウイルスの感染第2波が起きても、域内の銀行は対応可能だとした上で、各国当局に対し、信用収縮を防ぐため、資本の再構成なども含め、介入の準備を整えるよう求めた。 ECBの銀行監督委員会は、今年10月までとしていた配当・自社株買いの停止を
[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は28日、ユーロ圏の銀行に対し、今年末まで配当の支払いを停止するよう求めた。また流動性・資本バッファーの要件未達を認める期間を延長する方針も示した。
ECBは、新型コロナウイルスの感染第2波が起きても、域内の銀行は対応可能だとした上で、各国当局に対し、信用収縮を防ぐため、資本の再構成なども含め、介入の準備を整えるよう求めた。
ECBの銀行監督委員会は、今年10月までとしていた配当・自社株買いの停止を来年1月1日まで延長。銀行に対し賞与の支払いを「極度に抑える」よう求めた。
今回の決定は今年第4・四半期に見直す。
流動性バッファーの要件未達を2021年末まで容認する方針も表明。総資本要件の未達は2022年末まで容認する。
エンリア委員長はブログで「銀行セクターが今後も耐性を維持し、十分な与信で景気回復を支援できる体制を整えることが、引き続きすべての監督措置の目標となる」と表明した。
ドイツの銀行業界団体は、一律の配当停止は個々の状況を考慮しておらず、投資家を不安にさせ、資本を求める銀行を阻害する恐れがあると指摘。
一方、スコープ・レーティングスのディレクター、マルコ・トロイアーノ氏は配当停止について、ECBの流動性供給などに対し「株主が支払わなければならない代償」とし、債権者に安全性を提供しているとした。
ECBの「脆弱性分析」によると、2021年半ばまで封じ込め措置が続く中心シナリオでは、銀行全体の普通株等Tier1比率(CET1)が2022年末までに約1.9%ポイント低下し、12.6%となる見通し。
感染が急拡大する深刻なシナリオでは、5.7%ポイント低下し8.8%となる見通し。
エンリア委員長は「油断している余裕がないことは明らかだが、一定の安心感は得られる」とした上で「今回の結果は、経済情勢が一段と悪化した場合は、当局が追加措置を講じる準備を進める必要があることも示している」と述べた。
同委員長は電話会議で「深刻なシナリオが現実のものとなった場合、政府は現在の借り手支援策を延長するだけでなく、『資産救済制度』の導入や、銀行の資本を直接再構成することも可能だ」と述べた。
ECBは10月から銀行の検査を再開することを決定。すでに同意した是正措置についても再確認する方針を示した。
*内容を追加しました。
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