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概要:複数の関係筋によると、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、物価の上振れリスクを明確に認めるべきだとの声が理事会メンバーから上がったが、チーフエコノミストのレーン専務理事が反論するという異例の激しい討議となった。
ロイター編集
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複数の関係筋によると、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、物価の上振れリスクを明確に認めるべきだとの声が理事会メンバーから上がったが、チーフエコノミストのレーン専務理事が反論するという異例の激しい討議となった。フランクフルトのECB本部、2016年撮影。(2021年 ロイター/Kai Pfaffenbach/File Photo)
[フランクフルト 20日 ロイター] - 複数の関係筋によると、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、物価の上振れリスクを明確に認めるべきだとの声が理事会メンバーから上がったが、チーフエコノミストのレーン専務理事が反論するという異例の激しい討議となった。
理事会では、かなりの数のメンバーがECBの予測の質に疑問を表明。過去に大幅な予測の修正を迫られたことなどを指摘し、来年末のインフレ率がECBの予測を上回るリスクがあると見方を示した。
一部のメンバーからは、ECBスタッフの予測モデルが、新型コロナウイルスの流行という異例のショック要因に対応できていないのではないかとの声も出たという。
関係筋は「かなりの数のメンバーが上振れリスクを認めるべきだと主張したが、レーン専務理事が押し切った。長時間の討議の末、『小さな上振れリスク』があるとの認識で一致したように見えたが、声明にはそうした文言が全くなかった」と述べた。
ラガルド総裁は理事会後の会見で記者からの質問に「ことによると、上振れリスクがあるかもしれない」と述べるにとどめた。
関係筋は「われわれの討議の様子が声明にはほとんど反映されなかった」と発言。
別の関係筋も「非常に友好的な議論とは言えなかった。時々非常に白熱し、反対派が多数派に加わるよう個人的なプレッシャーを受けた」と述べた。
ラガルド総裁は総意の形成を目指したが、4人のメンバーが理事会の決定に反対。その後、複数の理事会メンバーが、ECBはインフレリスクを過小評価している恐れがあるとの見解を表明した。
ECBはコメントを控えている。
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