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概要:[日経平均株価・TOPIX(表)]日経平均;25166.23;-819.24TOPIX;1791.78;-53.16[後場の投資戦略]日経平均は一気に25000円近辺まで下落。 心理的な節目の一歩手前
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;25166.23;-819.24TOPIX;1791.78;-53.16
[後場の投資戦略]
日経平均は一気に25000円近辺まで下落。
心理的な節目の一歩手前で下げ止まると、前引けにかけてはで下げ渋る動きも見られているが、もはやこうなってくると下値メドなどはあってないようなもの。
単純な値ごろ感やPERなどの株価バリュエーション指標は短期的には役に立たないと考え、売りが枯れたと思えるまで需給の改善を待つしかないだろう。
マーケットを巡る環境は混沌としている。
こうした事態の深刻化を受けて、欧米諸国はロシア産原油の輸入禁止を検討していると伝わっている。
これまで経済への影響を考慮して避けてきたエネルギー産業への制裁強化も避けられないとの見方に転じつつあるようだ。
歴史的な価格高騰を見せているのは原油や石炭価格、液化天然ガス(LNG)などのエネルギーだけでなく、小麦やトウモロコシなど食品価格まで幅広い品目にまで及んでいる。
身の回りの生活必需品の価格がこれだけ高騰し、今後もロシアへの経済制裁の継続により高止まりするとなると、企業の仕入コスト増加や個人消費の停滞など、実体経済への影響がいよいよ深刻化する。
市場では、スタグフレーション(物価上昇と景気後退の併存)への警戒感が高まっていると指摘されているが、米ミシガン大学消費者信頼感指数など、センチメントを図る指標はすでに歴史的な低水準にあり、もはやスタグフレーションは始まっていると言っても過言ではないだろう。
こうしたなか、連邦準備制度理事会(FRB)は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)から利上げを開始する公算だ。
その先にはバランスシートの縮小(QT)も控える。
景気後退局面入りでの金融引き締めという、市場が最も恐れていた悲観シナリオがほぼ実現することが決まったとも言える。
先週末に発表された2月雇用統計では、雇用者数が力強い伸びを見せ、失業率も改善した一方で、平均賃金の伸びが予想に反して横ばいになるなど、インフレ鈍化の兆しも見られた。
しかし、今回のデータだけで、利上げ回数などFRBによる引き締めペースの織り込みが大きく後退するには材料不足だろう。
市場では、企業業績が堅調でバリュエーションの割安感に着目すれば買いだとの声も聞かれるが、足元で進んでいるこれだけハイペースのインフレが今後どれだけ続くかという見通しがつきにくいなか、今後は企業業績の後退懸念もつきまとうだろう。
そうなれば、今のバリュエーションは参考指標にはなりにくい。
もちろん、資源価格の高騰による業績鈍化を踏まえても、ヒストリカルでみてバリュエーションに割安感があるとの見方もあろうが、地政学リスクや金融政策の動向などマクロ環境にこれだけ強い不透明感がくすぶるなか、リスクプレミアムの上昇を通じてPERなどバリュエーションの調整(低下)が一段と進む可能性もあるだろう。
いまはファンダメンタルズよりも売り枯れの兆しなど、需給面のテクニカル要素に着目した方がよいだろう。
後場の日経平均は軟調ながらもやや下げ渋る展開か。
日経平均は前場の間に一時25000円割れを見ようかとするところまで一気に急落した分、短期筋の買い戻しが入りやすい。
また、前場の東証株価指数(TOPIX)の下落率が2%を超えたことで、日銀による上場投資信託(ETF)買いへの思惑も広がりやすい。
ただ、先行き不透明感がくすぶるなか、買い戻しが入っても上値は限定的だろう。
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