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概要:■中期経営計画と成長戦略2. 成長戦略中期経営計画における成長戦略としてマネジメントソリューションズ (TYO:7033)は、1)既存事業の拡大、2)既存事業の多角化、3)ソフトウェア事業の拡大、の3
■中期経営計画と成長戦略
2. 成長戦略
中期経営計画における成長戦略としてマネジメントソリューションズ (TYO:7033)は、1)既存事業の拡大、2)既存事業の多角化、3)ソフトウェア事業の拡大、の3点を掲げている。
(1) 既存事業の拡大
既存事業の拡大とは、中核事業であるPMO支援サービス事業の拡大を言う。
PMO支援サービスの市場環境や業界内での同社のポジショニング、強みなどについては既述のとおりで、特に国内ではPMOのアウトソーシングニーズが今後一段と拡大していくものと弊社では見ている。
こうした需要に対応すべく、同社は今後もコンサルタントを積極的に採用していくと同時に、ビジネスパートナーも活用しながら事業を拡大する戦略だ。
PMO支援サービス売上のうち、ビジネスパートナーの売上は約2割程度でここ数年推移している。
売上高総利益率は20%弱程度と全社平均と比較するとやや低くなるが、社内コンサルタントのリソースが不足した場合に、その穴を埋める役割を果たしており、事業を拡大するうえで今後もビジネスパートナーと協業する方針である。
ビジネスパートナーに関しては、プロジェクトごとに必要な人員をアサインする格好となり、パートナー企業数も年々増加している。
(2) 既存事業の多角化
既存事業の多角化については、PMO Onlineサービスやマネジメントコンサルティング、DXコンサルティング領域の拡大などに取り組んでいる。
a) PMO Onlineサービス
PMO Onlineサービスとは、オンラインによるパートタイムのPMO支援サービスであり、「ProEver」も活用しながらサービス提供している。
PMO Onlineにはリモート型、部分訪問型、ハイブリッド型の3つのラインナップがある。
2018年のサービス開始当初はシェアードPMOサービスと呼んでいたが、よりサービス内容をイメージしやすいように改称した。
通常のPMO支援サービスが、1人あるいは複数人のコンサルタントが1社(1プロジェクト)にフルタイムでサービス提供するのに対して、PMO Onlineサービスでは、1人のコンサルタントが契約内容に応じてパートタイムでサービスを提供し、同時に複数のプロジェクトを担当する形態を取る。
同社では多様な働き方を求めるニーズがあり、働き方改革に取り込むなかで生まれたサービスとなる。
売上規模はまだ小さいものの、コロナ禍でテレワークの普及が進んだことも相まって需要は好調に推移しており、コンサルタントの稼働率の維持向上にも貢献している。
また、同サービスはフルタイムの契約ではないためコストを低く抑えることが可能なことも特徴となっている。
このため、対象顧客も大手企業だけでなく中堅企業からの需要も見込まれ、PMOのアウトソーシングニーズが高まるなかで、今後の売上成長が期待できるサービスとして注目される。
b) MSOL Consulting(マネジメントコンサルティング)
マネジメントコンサルティング領域への進出は、PMO支援専門会社からスタートした同社からは上流工程への進出となり、大手コンサルティングファームがPMO支援も含めてサービスを提供しようという川下展開の動きと真逆の関係となる。
同社のマネジメントコンサルティング領域への進出は、そこを専門領域とするコンサルティングファームに真っ向勝負を挑むというよりも、PMO支援サービスの拡大を図るためのブランディングやマーケティング戦略の一環という意味合いの方が強いと弊社では考えている。
この点は、マネジメントコンサルティングとPMO支援それぞれの、顧客企業におけるカウンターパート(対応相手)の違いを考えればわかりやすいだろう。
PMO支援のカウンターパートはプロジェクト遂行の現場の責任者で部長や課長クラスが中心となる(企業規模やプロジェクトの規模によっては取締役、執行役員もある)。
一方、マネジメントコンサルティングの場合は、経営トップ層がカウンターパートとなる。
同社がマネジメントコンサルティングに乗り出す真意はここにあり、経営トップとのコネクションを構築することで、PMO支援プロジェクトの新規受注獲得機会の増加を狙っているものと思われる。
c) MSOL Digital
MSOL Digitalとは、顧客企業のDXプロジェクトを実行支援するために、ITコンサルティング企業等と連携してソリューション提案やデジタルサービス構築を提供するサービスである。
現状、同社にはITコンサルティングの人材やノウハウが十分でないことから、ITコンサルティング企業とパートナーシップを組むことでWin−Winの関係を構築し、DX関連プロジェクトの受注を拡大する戦略である。
なお、新たに子会社化したテトラ・コミュニケーションズは保険業界に特化したITコンサルティング企業であり、今後協業しながらシナジーを創出していくものと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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