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概要:クレディ・スイス・グループのトラブルは最終的に、同行が買収される結果になる可能性が最も高い。JPモルガン・チェースのアナリストがこのような見方を示した。
JPモルガンのアナリスト、クレディSの今後で3つのシナリオ想定
BofAは異なる見解、中銀支援はクレディSが現在の形で存続示唆
クレディ・スイス・グループのトラブルは最終的に、同行が買収される結果になる可能性が最も高い。JPモルガン・チェースのアナリストがこのような見方を示した。
キアン・アボホセイン氏らアナリストは信頼の危機にあるクレディ・スイスについて3つのシナリオを想定。その中で最もあり得るシナリオは他社による買収で、買い手候補には国内同業のUBSグループが考えられると分析した。
クレディ・スイスはまずスイス事業を上場またはスピンオフするだろうとし、同事業の価値を100億スイス・フラン(約1兆4300億円)と試算。買収成立はその後になるだろうとみている。
クレディ・スイスの資本状況に問題はないとしつつ、「問題は、投資銀行事業の戦略に対する市場の信頼感と、企業としての弱体化だ」と指摘。「現状維持という選択肢はもはやない」と断じた。
クレディ・スイスはコメントを控え、UBSはコメント要請に応じていない。
クレディ・スイスの安定化を巡るスイス当局と同行の協議ではUBSとの提携も選択肢として挙がったと、ブルームバーグ・ニュースが先に報じていた。UBSのラルフ・ハマーズCEOは15日、クレディ・スイスに関する「仮定の質問」には答えられないとし、「自行の戦略に集中している」とのみ述べた。
クレディ・スイスのウルリッヒ・ケルナーCEOは16日朝の行員向け文書で、流動性カバレッジ比率の改善や最近の増資を挙げ、同行は強い立場で引き続き変革に取り組んでいくと説明した。
クレディ・スイスCEO、事実に注目をと行員に呼び掛け-強さ強調
JPモルガンのもう一つのシナリオは「自助努力アプローチ」で、投資銀行の閉鎖を伴う。しかし、これも市場の懸念を緩和するには十分ではないかもしれないとアナリストらはみている。
第3の選択肢はスイス中銀による全額預金保証または資本注入だ。JPモルガンはこれについて、既存株主にとって大きな希薄化につながるとしている。
一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストは中銀が支援に乗り出したことは、クレディ・スイスが「現在の形で存続する」という明瞭なメッセージだと指摘。
「当局の支持は事実上、今回の発表を通じて表明されたが、それはクレディ・スイスの構造や継続企業としての性質に変更を伴うものではなかった」と、アラステア・ライアン氏はリポートで指摘し、クレディ・スイスの「買い」判断を維持した。
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