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概要:[ニューヨーク 26日 ロイター] - 投資家は、米株式市場が長期間にわたって難局に入ることを覚悟し始めている。銀行セクターが動揺しているのに加え、急激な利上げを進めてきた米連邦準備理事会(FRB)の
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 投資家は、米株式市場が長期間にわたって難局に入ることを覚悟し始めている。銀行セクターが動揺しているのに加え、急激な利上げを進めてきた米連邦準備理事会(FRB)の今後の動きを巡る不透明感が強いためだ。
米地銀2行の経営破綻と、UBSによるクレディ・スイスの救済合併を受け、米金融株は20日からの週を通じて荒い値動きとなった。
ニューエッジ・ウェルスのキャメロン・ドーソン最高投資責任者(CIO)は「銀行セクターの混乱がどこまで広がるかまだ不確かなため、ボラティリティーは継続するだろう」と話す。
昨年の急激な連続利上げによって、市場では低コストのマネーが枯渇し、経済には亀裂が広がった。このため、今後もぞっとするようなサプライズが発生するのではないかと多くの市場関係者は心配している。
ブラックロックのグローバルCIO、ウェイ・リー氏は「投資家はまず行動し、その後で詳細に目を向ける」状態だと指摘。「事態が完全に制御できたと安心し切れない以上、無理もない」と述べた。
投資家はここ数日、ドイツ銀行に着目。同行株は急落し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプレミアムは急上昇した。ドイツ銀とクレディ・スイスを同一視する見方は乏しいにもかかわらずだ。
JPモルガンのアナリストチームは24日、ドイツ銀について、現在は「カウンターパーティーと流動性の問題を懸念していない」とした。
2008年のような金融システム全体の危機が繰り返されると考えている投資家はほとんどいない。
しかし、仮に米国や欧州の規制当局が預金を保護してくれないとの見方が広がれば、再び銀行の取り付け騒ぎが起こりかねないと投資家は懸念している。
T・ロウ・プライスのマルチアセット部門の資本市場ストラテジスト、ティム・マレー氏は「囚人のジレンマのようなものだ。全員が預金を引き出さないことで一致すれば万事良しだが、1人でも引き出すと決めれば、そうした行動は雪だるま式に膨らみ続ける」と語った。
マレー氏は株式をアンダーウェートにし、米国債並みの利回りが得られるマネーマーケットファンド(MMF)に資金を集中させている。
<過去の危機と異なる構図>
アポロ・グローバル・マネジメントの首席エコノミスト、トーステン・スロック氏は、当座預金の金利がフェデラルファンド(FF)金利よりはるかに低く、両者の格差は開き続けているため、銀行預金からの資金流出リスクは増していると指摘した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日にFF金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、4.75─5%とした。
スロック氏は25日のノートで「金利の上昇が原因で預金と米国債の保有者に動揺が広がる構図は、以前の金融危機と比べて極めて異例だ。以前はクレジットの損失が銀行のバランスシート上にある流動性の低い資産に重圧をもたらし、動揺の原因となる構図が典型的だった」と解説した。
FRBが24日に公表したデータによると、シリコンバレー銀行が破綻した10日以来、小規模な米銀からの預金流出は記録的な額に達している。
一方、23日公表のデータを見ると、FRBが設けた緊急融資制度の利用は先週も高止まりし、不安の根強さを示している。
ニューエッジのドーソン氏は「FRBのさまざまな制度からどの程度の資金が引き出されているかを示す全てのデータを注視している。こうした制度の利用が続くなら、資金調達の制約や流動性の必要性を感じている銀行が増えている証拠であり、不安の連鎖が収まっていない恐れがある」と述べた。
ブルームバーグ・ニュースは25日、米当局が米中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクにバランスシート強化の時間を与えることを念頭に、緊急融資制度の拡充を検討していると報じた。
<信頼感の危機>
FRBの意図が不透明なことも、株式の敬遠ムードを増幅させ、米国債価格の乱高下を招いている。FRBは、銀行セクターの混乱によって金融環境が引き締まる可能性があるとし、今後は利上げを休止する可能性を示唆した。
投資家はこの1週間、安全性を求めて米国債に殺到。2年債の利回りは3.76%と、昨年9月半ば以来の最低水準に下がった。
ヌビーンの債券ストラテジー責任者、トニー・ロドリゲス氏は、銀行の経営破綻がさらに増えるようなら、金融環境がタイト化してFRBの利下げ転換が早まる可能性もあると言う。先物市場では、FRBが年末までに利下げに着手する可能性が織り込まれている。
多くの投資家は株式を敬遠しているようだ。BoFAグローバル・リサーチが実施した直近のファンドマネジャー調査によると、米国株への投資配分は18年ぶりの低さとなった一方、現金の比率は3月にじわじわと上昇している。
ノーザン・トラストのウェルスマネジメント部門のケイティー・ニクソンCIOは、FRBか財務省が取り付け騒ぎの再燃不安を沈めるような対応を採らない限り、投資家はまた大きな銀行破綻が起こるのではないかと身構え続けると予想。自身は「鉄壁のバランスシート」を持つハイテク株への投資に注力しているとした。
「現在起こっているのは信頼感の危機であり、だれもが今後の方向性を知りたがっている」とニクソン氏は語った。
(David Randall記者)
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