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概要:投資家はテクノロジー企業への融資にますます慎重な姿勢を強めている。世界的な銀行危機が引き起こしたボラティリティーが、低格付けのローンを大量に抱える業界のストレスを悪化させることを懸念しているためだ。
融資の一部返済求める貸し手や、PE会社に追加出資要請も-関係者
ゴールドマンなど銀行、ベータNXT買収用ローンの債権売却に苦戦
投資家はテクノロジー企業への融資にますます慎重な姿勢を強めている。世界的な銀行危機が引き起こしたボラティリティーが、低格付けのローンを大量に抱える業界のストレスを悪化させることを懸念しているためだ。
テクノロジー企業への融資で重要な役割を果たしていたシリコンバレー銀行(SVB)の破綻に、他の複数の米地銀破綻とクレディ・スイス・グループ救済が加わり、テクノロジー企業の借り入れコストは上昇しそうだ。投資家がより十分な安全措置を求める一方、融資の一部の返済を求める貸し手もいる。あるいはプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社に追加出資を要請する場合もある。事情に詳しい関係者が明らかにした。
例えば、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループはKKR傘下のオプティブ・セキュリティーの債務返済期限を延長するための投資家会議を開いたとブルームバーグが報じたが、最近のボラティリティーを受けて協議は中断されていると、事情に詳しい関係者が非公表の情報だとして匿名を条件に述べた。ジェフリーズとKKRの担当者はコメントを控えた。
新規のローンの組成も既存ローンの期限を延長する取引も停止状態になっている。ゴールドマン・サックス・グループを中心とした銀行団は、テクノロジーサービスの提供企業ベータNXT買収を支える7億5000万ドル(約1000億円)相当のローン売却に数カ月かかっている。
ベータNXTの前身を買収したクリアレーク・キャピタル・グループとモーティブ・パートナーズはコメントを控え、ゴールドマンはコメント要請に応答していない。
事業資金から幹部の個人的住宅ローンまで何もかもをSVBに頼っていたテクノロジー企業にとって同行の破綻は大きな打撃だ。
アタラヤ・キャピタル・マネジメントのイワン・ジン最高投資責任者(CIO)は「最も安い資金の提供元だったSVBが失われたことは、システム全体にとってひどい衝撃だ。ファイナンスコストは全体で上昇し、利用可能な資金プールは縮小するだろう」と話した。
大手銀行はツイッターやシトリックス・システムズ買収などを巡る債権を売却できずに大量に抱えており、新規の案件を手掛ける意欲はいまや薄い。
流動性向上や満期が近い債務への対応を既に迫られているテクノロジー企業は特に打撃を受ける見込みだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)による22日の0.25ポイント利上げや想定される追加利上げで利払い負担は重くなる。収益の伸び鈍化が見込まれるテクノロジー企業への与信は、いっそう縮小しそうだ。
レバレッジドローンの最大の買い手であるローン担保証券(CLO)マネジャーの懸念がさらなる売りにつながり、一段の価格下落をもたらすかもしれない。ブルームバーグがまとめたデータによれば、テクノロジー関連のレバレッジドローンは2022年のレバレッジドローン全体の25%を占めていたが、今年これまででは約18%となっている。
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