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概要:玉木林太郎・元財務官はロイターとのインタビューで、新体制が始まった日銀の金融政策について、現行の大規模緩和の修正に早めに着手すべきと指摘した。中でも長短金利操作(YCC)の見直しが最優先で、秩序を保ちつつも市場が織り込まないよう不意を突く形で打ち出す必要があるとした。
[東京 20日 ロイター] - 玉木林太郎・元財務官はロイターとのインタビューで、新体制が始まった日銀の金融政策について、現行の大規模緩和の修正に早めに着手すべきと指摘した。中でも長短金利操作(YCC)の見直しが最優先で、秩序を保ちつつも市場が織り込まないよう不意を突く形で打ち出す必要があるとした。
玉木林太郎・元財務官はロイターとのインタビューで、新体制が始まった日銀の金融政策について、現行の大規模緩和の修正に早めに着手すべきと指摘した。写真は東京都内の日銀本店。1月18日撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)
現在は国際金融情報センター理事長を務める玉木氏は、日銀について「新総裁就任でモメンタム(勢いが)あるが、半年や1年たつと消えてしまう。ずるずると現行の政策が抱えている課題を蓄積しないように多少の痛みあってもやるべきことをやる必要がある」と述べた。
米銀2行の破綻などで金融システムへの不安が広がり、政府や与党からは日銀による政策修正の先送りを望む声も聞かれる。しかし、玉木氏は「新発国債を日銀が買い上げ、無理な政策を続けることで金融機関は利回り追求行動に走らざるをえなくなり、債券 株式市場もスポイル(甘やかせて駄目に)されたままだ」と指摘。先送りすべきではないとの考えを示した。
日銀は黒田東彦前総裁下で国債の大量購入に始まり、上場投資信託(ETF)の買い入れ拡大やマイナス金利、YCCなど新たな緩和策を次々と導入した。ETF買いで日銀は日本株の最大の保有者となり、マイナス金利は金融機関の利益を圧迫、YCCは国債市場の機能を低下させたと副作用が指摘されている。
玉木氏は「全部一緒に解決はできない」とした上で、当面の課題は「時系列的に一番最後に日銀が導入したYCCをどのように秩序だって修正できるか」と語った。修正のタイミングには触れなかったが、事前に報道が出るなどすると市場が織り込むため、「多少のサプライズも日銀の芸のうち」と語った。
金融システム不安を理由に緩和修正を先送りすべきではないとする一方で、米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの経営危機は特殊ケースとみるべきではないとした。「事態を小さく見過ぎるリスクがある」とし、「根っこには長い金融緩和で大量のマネーが流れ出たことの反動で、リスクは決して特殊なものでない」と語った。
2009年から2年間財務官を務めた玉木氏は、スリランカなど新興国の債務問題にも言及。中国が日米欧で構成する主要債権国会議(パリクラブ)への参加を明言しないのは、「西側の利害を体現したメカニズムだから」と指摘。「2国間の債権を複数国の債権に劣後させるのは、米国中心の国際通貨基金(IMF)体制を守ろうとのメッセージだ」と中国は主張していると説明した。
玉木氏は「中国やインド、ロシアなどいくつかの国々は、米欧主導の国際金融体制にチャレンジしようとの考え方を明確にしており、戦後国際金融処理体制の肝のところに、議論の焦点が迫っている」と解説した。
(竹本能文、梶本哲史 編集:久保信博)
*インタビューは19日に実施しました。
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