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概要:米国ではインフレが鈍化しつつあると言われているが、値下がりは実感できない。それは、ほとんどのモノが安くなってはいないからだ。
2023年8月9日 11:50 JST
食品価格は最近低下傾向も、2年の上昇勘案するとほとんど意味ない
所得の伸びがインフレ率を上回り始めたのはほんのここ数カ月のこと
米国ではインフレが鈍化しつつあると言われているが、値下がりは実感できない。それは、ほとんどのモノが安くなってはいないからだ。
変化率で表されるインフレ率が、物価統計で低下してきているのは事実。いわゆるディスインフレーションといわれる状態だ。しかし平均的な米国人にとっての生活実感は、あらゆるものが以前より高くなっているというもので、それは明確なデフレ状態となるまで変わらないだろう。
消費者物価指数(CPI)が総合的なインフレ率の指標としての役割を果たす一方で、米労働統計局(BLS)はそれとは別に、米国人が実際に支払っている金額を反映した平均物価のデータについてもリポートを発表している。CPI統計が経済全体のモノとサービスのさまざまな価格を示しているのに対し、この平均物価のデータはほぼ飲食料品のみを対象とする。
以下は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前と現在の1ポンド(約454グラム)当たり平均価格の比較。
品目 | 2020年2月 | 2023年6月 |
---|---|---|
ハム | $3.13 | $4.44 |
チョコレートチップクッキー | $3.55 | $5.11 |
シチュー用骨なし牛肉 | $5.83 | $6.91 |
プロセスチーズ | $3.91 | $4.70 |
牛ひき肉やポテトチップのような基本的な品目は、パンデミック前に比べ平均で数ドル高くなっていることが、BLSの物価データで示されている。ガソリン価格は再び上昇しつつあり、電気代や他の生活に不可欠なさまざまなものが高水準にとどまっている。
今週10日に発表される7月のCPIは前年同月比3.3%上昇となり、伸び率は6月を若干上回るものの、ここ2年で最も低いペース付近にとどまると見込まれている。インフレ率のピークは昨年6月の9.1%で、過去40年間で最も高水準だった。CPI統計では、食料品価格はここ4カ月のうち3カ月で下落しているが、2年間の上昇を勘案すると、ほとんど意味がない。
米国人が家計状況に関してかなり悲観的で、信頼感を示す指標を押し下げている状況もほぼうなずける。米ミシガン大学の米消費者マインド指数は2020年2月に101を付けていたが、インフレがピークに達した22年6月にはその半分に低下し、過去最低の水準となった。その後回復傾向となり、今年7月は71.6。
インフレはバイデン米大統領にも打撃となっている。ギャラップの調査では、物価上昇圧力が高まって以来、ここ2年、支持率は一貫して50%を下回っている。同氏の政策は米経済のリセッション(景気後退)入り回避には役立つかもしれないが、財政赤字は膨らんでいる。
「米国の有権者は引き続きインフレにおびえている。バイデノミクスは全く役に立っていない」とAGFインベストメンツの米政策担当チーフストラテジスト、グレッグ・バリエール氏が7日にブルームバーグテレビジョンで語った。
インフレ下で、米国人の多くが一段とクレジットカードに頼り、貯蓄率は低めにとどまってきた。延滞率は上昇している。労働市場が好調でなければ、その痛手はもっと深刻なものとなろう。雇用主は安定したペースで採用を増やし続け、失業率は過去数十年での最低水準付近にとどまっている。これが、消費者の支出し続ける力を支えている。
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