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概要:債券市場が注目する長期の米インフレ期待指標が、9年ぶりの水準に向かって上昇している。米金融当局が長年にわたり物価上昇圧力と格闘せざるを得ないとの懸念を反映している可能性がある。
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2023年8月10日 0:42 JST
長期インフレ期待指標、今回の利上げサイクルのピーク近辺に上昇
7月の米CPI、根強いインフレ高止まりを示唆か
こうした動きは、米金融当局による大幅利上げが1980年代以来の物価高騰を継続的に抑制するとの見方とは対照的だ。スワップ市場は、金融当局が引き締めをおそらく終えており、来年には利下げに転じられるほどインフレが十分に冷え込むとのシナリオを織り込んでいる。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツの金利ストラテジスト、エド・フセイニー氏は「米金融当局の積極的な行動によりインフレは鈍化している。だが、基調のインフレ期待が上向いているというリスクはある」と指摘。「市場は当面のインフレ期待上昇と実質金利の上昇を織り込んでいる」とし、「それが正しいかどうかはいずれ分かるだろう。だが、市場はそういうメッセージを送っている」と述べた。
10日に発表される7月の米消費者物価指数(CPI)統計では、総合指数の前年比上昇率が3.3%に拡大すると予想されている。実際に加速すれば2022年6月以来だ。変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数は4.7%上昇にやや減速する見通しだ。
5年先5年物ブレークイーブンレートが上昇している背景には、足元の債券売りにより長期債利回りが短期債利回りを上回るペースで上昇したことがある。格付け会社フィッチ・レーティングスによる格下げや米国債の大量増発に対する懸念が背景にあるが、米経済が底堅いことで金融当局の目標水準までそう簡単にはインフレは戻らないだろうとの見方も反映している。
ウィズダムツリーの債券戦略責任者、ケビン・フラナガン氏は「投資家にとっての問題は、インフレ鈍化の大半は既に起きたと言えるかどうかだ」とし、インフレが順調に急低下する局面はすでに終わったのだろうかと問い掛ける。
MUFGセキュリティーズアメリカの米国マクロ戦略責任者、ジョージ・ゴンカルベス氏は、現時点で市場のインフレ期待はまだ大きな懸念ではないが、5年先5年物ブレークイーブンレートで2.75%あるいは3%を目指すような動きとなれば市場のインフレ心理の変化を意味することになり、「米金融当局が2%のインフレ目標を維持できるかどうか疑問符がつくだろう」と指摘。こうした疑問がくすぶれば、年限が長めの債券利回りに圧力がかかり、インフレ見通しへの懸念も強まるとみている。
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