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概要:米国債市場がこれほど長くリセッション(景気後退)のシグナルを発し続けたのは、少なくともここ60年で初めてだ。
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2023年9月15日 0:23 JST
10年物利回りは212営業日にわたり3カ月物を下回っている
「シグナルを無視するのは自己責任」-デューク大のハーベイ氏
市場の警告と驚くほど底堅い経済の乖離(かいり)は、米連邦準備制度が2022年3月に積極的な利上げを開始してからの不確実性の強さを示している。
3カ月物と10年物の利回りが反転した昨年10月、ブルームバーグが調査したエコノミストの大半は、遅くとも23年中に景気後退が訪れると予想していた。しかし経済は拡大を続けている。アトランタ連銀が注目する指標によれば、景気は勢いを増してすらいる。
「このサイクルは奇妙だ。イールドカーブが反転したとき、ほとんどの人が景気後退の瀬戸際にあると考えた」と、レイリアント・グローバル・アドバイザーズの調査責任者、フィリップ・ウール氏は指摘。「米国経済が驚くほど好調なため、ソフトランディングの可能性は1年前よりはるかに高まっているが、保証されているというのには程遠い」と続けた。
イールドカーブの逆転は、中央銀行が将来、成長を急加速させるために緩和政策を取るという期待を示すため、景気減速の先行指標になる。
しかし、このシグナルは米金融当局のこれまでの引き締めの規模によってゆがめられている可能性がある。政策金利は5ポイント以上引き上げられており、これは80年代初頭以来の急上昇だ。
米連邦準備制度が来年利下げに踏み切る可能性はあるが、それは不況への対策というよりも、むしろインフレが沈静化したことへの反応かもしれない。エコノミストのエド・ヤルデニ氏が「至福のシナリオ」と呼ぶ展開だ。実際、先物市場は24年末の政策金利が4.4%程度になるとの予想を示唆しており、当局が一般的に成長にとって中立と考える2.5%を大きく上回っている。景気後退局面では金融当局は通常、中立金利を下回る水準まで金利を引き下げる。
それでも、逆イールドは自己実現的予言となり得る。一つには、景気後退の先行指標としてのこれまでの実績から、企業や消費者がこれを将来のトラブルを示すものと考え、支出を控える可能性があるからだ。
銀行は短期の金利で借り入れ長期の金利で貸し出すことで利ざやを得るため、逆イールドは銀行の融資意欲を低下させ信用システムにも影響する。ブルームバーグがまとめたデータによれば、最近は株式6割、債券4割の60・40%ポートフォリオのリターンは3カ月物TBに投資するよりも低かった。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の最高投資責任者(CIO)だったビル・グロース氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「金融を基盤とする経済は、低リスクの投資が高リスクの投資よりも高い利回りを提供していては繁栄できない」と語った。
ゴールドマン・サックス・グループなど一部の銀行の経済予測担当者はリセッション予想を後退させているが、多くは依然として景気後退を予想している。ブルームバーグの調査によれば、景気後退の可能性は60%で、大半の回答者はそれが来年になると予想している。
また、イールドカーブは景気後退のかなり前に反転することがある。06年7月に10年物利回りは3カ月物を下回り始めたが、景気後退が始まったのは07年12月だった。その時には当局が既に利下げを開始しており、長期債利回りは短期債を上回っていた。
イールドカーブを景気後退の指標として利用した先駆者であるデューク大学のエコノミスト、キャンベル・ハーベイ氏は、その予測力は今も衰えていないと言う。
同氏は、逆イールドが続いた日数ではなく、数カ月間の平均的な反転のレベルに注目する。この指標によれば、最近の逆イールドは特に長くはない。同氏によれば、07年末に始まった景気後退の前には15カ月間、1980年代の景気後退の前には18カ月間、イールドカーブは逆転していた。
「イールドカーブの逆転は過去8回の不況の全てを正しく予測した。このシグナルを無視するのは自己責任だ」と、同氏は電子メールでコメントした。
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