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概要:ソフトバンクグループの孫正義社長は、流れを変えることを決意していた。
半導体設計会社アームの上場初日に波乱なし-25%高で終了
2023年最大のIPO、安全第一主義のプラスとマイナス浮き彫りに
ソフトバンクグループの孫正義社長は、流れを変えることを決意していた。
テクノロジー企業投資家としての同氏の実績は、ウィーワークやドアダッシュなどへの投資でソフトバンクGのビジョン・ファンドとラテンアメリカファンドが2023年3月期に約4兆3000億円の損失を出したことで傷が付いた。
このため、英半導体設計会社アーム・ホールディングスの今週の新規株式公開(IPO)の計画を練るために孫氏とソフトバンクG幹部がバンカーらと会談した際の焦点は、IPOが滞りなく行われるのを確実にすることだった。
最後の瞬間に買い手が撤退したり、バリュエーションが批判されたりすることは避けたかった。そして何よりも重要だったのは、上場初日にほぼ確実に株価が上昇するような価格設定をすることだった。
その点で、アームのIPOは大成功だった。株価は上場初日の14日に25%上昇した。48億7000万ドル(約7200億円)を調達したアーム上場は米国で2年ぶりの規模だった。ここ数年に上場した企業の株価がその後数カ月に50%や60%、70%も下落したのを見れば、アームIPOは勝利と言える。
マンハッタンのミッドタウンから東京まで、関係者全員が各地で祝福し合ったが、安全を重視したことによるマイナス面もあった。IPO価格を1株当たり1ドル高く設定するだけで、約1億ドル多くの資金が調達できた。しかし孫氏はそれを望まなかった。
極端なことを言えば、取引初日の終値で株式を公開すれば、調達額は10億ドル以上増えたところだ。ただ、株価が上昇したおかげで、ソフトバンクGが保有するアーム株の価値はその日のうちに約120億ドル上昇した。
ソフトバンクGはアームIPOに際し異例のアプローチを取った。主幹事の中で最も中心的な役割を担う「リードレフト」は指名せず、経験豊富な経営者であるアームのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)とジェイソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)がロードショー(機関投資家向け説明会)で投資家との対話の多くを引き受けたと、事情に詳しい関係者が述べた。
型破りな選択
ソフトバンクGの創業者で社長の孫正義氏は13日午後のIPO価格決定の会合に加わったと、ブルームバーグ・ニュースは報じた。同氏は電話で参加し、調達額が幾らか少なくなるとしても、高過ぎる価格は望まないと示唆したという。
アームIPOが12倍の応募超過となり旺盛な需要があったことを踏まえると、これも一般的とは言えない選択だった。
しかし、傘下の通信会社ソフトバンクを含めIPOの失敗が続いた後、孫氏には勝利が必要だった。2018年に上場したソフトバンクは初日に14%余り下落した。
確かに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)明けのハイテク株値上がりが金利上昇で反転しバリュエーションが低下した市場は、誰にとっても厳しい環境だった。だが、孫氏の銘柄は特にひどかった。中国の人工知能(AI)企業、商湯科技(センスタイム・グループ)は上場以来62%下落し、中国の配車サービス大手、滴滴グローバルの価値は4分の1になった。両社ばかりでなく、こうした例はさらに挙げられる。
ソフトバンクG支援のIPO、一般投資家は稼げるのか-上場後に注目
アームのIPOに携わったバンカーらは、自分たちがこの流れを断ち切ったと考えている。
主幹事4社のうちの1社であるバークレイズの株式資本市場グローバル責任者、トム・スワーリング氏は「アームについては、ユニークな資産であり改善しつつある市場環境の中で素晴らしい取引結果を成し遂げたと言える」とインタビューで語った。
テック業界のエリート
ソフトバンクGは需要を確保するために売り出す株数を制限し、最終的にわずか10%の株式を放出した。同社はまた、シリコンバレーでの幅広いネットワークを活用し、アップル、エヌビディア、インテル、サムスン電子など、世界最大級のテクノロジー会社から7億ドル以上を集めた。
IPO株の買い手には幅広い投資家が名を連ねた。ソフトバンクGが放出した株式の50%は上位10の投資家が取得し、上位25が約70%を占めた。このIPOには合計650以上の投資家が参加したという。
ナスダックマーケットサイトでオープニングベルを鳴らすハースCEO(9月14日)
孫氏が電話で参加した価格決定の会合は、マンハッタンにあるレーン・セキュリティーズのオフィスで行われた。ソフトバンクGが出資しているレーンは、アーム上場の財務アドバイザーを務め、レーンの共同創業者で孫氏の友人でもあるジェフ・サイン氏も同席していたと、関係者が明らかにした。バークレイズと他の主幹事のゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、みずほフィナンシャルグループの関係者も出席していた。
会議中にIPO価格が1株52ドルになる見込みだというウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の報道が飛び込んできた。バンカーや幹部らは驚いたが、価格は結局51ドルで決まった。
アームが上場。初日は25%高
盛大な祝福
価格が合意されると、バンカーたちは拍手をしてチームを祝福し、幹事社の何人かはお祝いに出かけた。
「この日をどう表現すればいいか、結婚式、卒業式、バル・ミツバー(ユダヤ人の男の子が13歳になる時に行われる成人式)が一緒にやって来たようだった」とハースCEOはインタビューで語った。
400億ドルでエヌビディアに身売りする合意が破棄された昨年から、IPOに向けて動いていたと同CEOは付け加えた。市場が低迷していたことで、同社は計画を練る時間を十分に取ることができた。
「6-9カ月前に置かれていた状況に比べて、素晴らしい結果にたどり着いた」と同氏は語った。
アームは今や上場企業だが、90%の株式を保有する最大株主のソフトバンクGの傘下にあることは変わらない。
しかし孫氏は既に別のことを考えている。14日に取引が始まる前に孫氏はもう、IPOとは無関係の業務についてテキストメッセージを送ってきたとハース氏は話した。
「彼と私は非常に長期的な視野で物事を考えるという点で似ている」と、ハースは孫氏について述べた。
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