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概要:日本の投資家は、国際決済銀行(BIS)のデータに基づく実質実効為替レートが約50年ぶりの円安となったことや世界的な不動産不況にもかかわらず、過去20年で最も多くの資金を投じ、海外の不動産を買い上げている。
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2023年12月6日 10:40 JST
「競争力を高められる絶好の機会と捉えているようだ」との指摘も
大規模な資金投入は、80年代後半のバブル期以降ほとんど例がない
マンハッタンのグランドセントラル駅裏手にある超高層ビルの権益約半分を森トラストが今年6月に取得
ニューマーク・グループのインターナショナル・キャピタル・マーケッツ・グループ責任者アレックス・フォシェイ氏は「今は競争力を高められる絶好の機会と捉えているようだ」と指摘する。
MSCIリアルアセッツによると、世界の商業用不動産取引に占める日本勢の資金は、年初来で74億ドル(約1兆900億円)と、過去15年の年間平均の3倍余りに達する。日本からこれほど大規模な資金が投入されるのは、ニューヨークのロックフェラーセンターやペブルビーチ・ゴルフリンクスという象徴的な権益買収に火を付けた1980年代後半のバブル期以降、ほとんど例がない。
不動産サービス会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの高山裕之ジャパン・デスク・サービス部門統括責任者によれば、今回の投資ブームは、新型コロナ禍以前に海外不動産に資金を割り当てていた企業が後押しする側面もある。
コロナ危機の下で、それらの企業は海外に出張し、目的の物件を評価することができなかったが、今年は通常の状態に戻り手元資金が解き放たれた格好だ。
森トラストは、マンハッタンのグランドセントラル駅裏手にある超高層ビル(245 パークアベニュー)の権益49.9%をSLグリーンリアルティから今年6月に約1000億円で取得した。
森トラストの伊達美和子社長は「われわれの強みは、財務基盤体質の非常に良い状態だ。1000億円単位の投資であっても、投資家を集めながらやるのではなくて、自己で資金調達することにより決断を速くできるところが強み」とインタビューで発言。「唯一無二といわれるようなものであれば、機会があったときにはできる限り取得していこうと思っている」と語った。
日本勢、海外不動産投資に積極的
2023年の海外不動産投資は過去15年間の平均の3倍超に
出典: MSCIリアル・アセッツ
(2023年分は年初から12月5日までの累計)
幅広い分野の海外不動産を取得
2023年はオフィスと物流が中心に
出典: MSCIリアル・アセッツ
(2023年分は年初から12月5日までの累計)
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