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概要:米連邦準備制度が短期金融市場の安定確保のためのセーフティーネットとして整備し、このところほとんど使われなくなっていた常設レポファシリティー(SRF)の利用が今週に入りいったん急増し、2020年以来の高水準に達した。
米連邦準備制度が短期金融市場の安定確保のためのセーフティーネットとして整備し、このところほとんど使われなくなっていた常設レポファシリティー(SRF)の利用が今週に入りいったん急増し、2020年以来の高水準に達した。
連邦準備制度がバランスシート圧縮を進める状況にあって、単独もしくは複数の銀行が将来の流動性逼迫(ひっぱく)に備えていることを示唆する可能性がある。
SRFは銀行が米国債やエージェンシー債などを担保として差し入れ、短期資金の供給を受けることができるもので、5日の取引額は2億300万ドル(約300億円)と、常設化前の20年7月以来の高水準となった。
それでも、20年3月に記録した過去最高の1530億ドルに比べると微々たる金額であり、6日には600万ドルと再び低調となった。
ドイツ銀行のストラテジスト、スティーブン・ゼン氏は「特定の銀行がSRFをテストしてみたとささやかれている」と説明した。
連邦準備制度のバランスシート圧縮が開始から1年半に及び、過剰流動性も少なくなっており、市場参加者は不安定化の兆しがないかSRFの動向を注視している。
ディーラーのバランスシートが資金供給力を欠き、トレーダーは米国債のロングポジションのための資金調達が必要な状態で、短期金利は月末以降に上昇。担保付翌日物調達金利(SOFR)は1日に5.39%と過去最高水準となり、投資家は市場のさらなる混乱に警戒している。SOFRは5日時点では5.33%。
ドイツ銀のゼン氏は「SOFRの上昇を受け、一部の銀行がテストに動いているというのは道理にかなう」との考えを示した。ニューヨーク連銀の担当者はコメントを控えた。
連邦公開市場委員会(FOMC)は21年7月にSRFの常設化を決めたが、利用は低調でその効果に一部から疑問が浮上していた。ただ、過去2カ月間に農林中央金庫ニューヨーク支店を含む5行がカウンターパーティーに加わり、その数は計25行に上っている。
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