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概要:米金融当局が利下げにかじを切る姿勢を示唆したことをきっかけに、米国債相場がどこまで上昇するかが焦点となる中で、債券界の大物の意見が割れている。
トレンドラインが金利低下余地の拡大示すとガントラック氏
米10年債利回りは4%前後の現水準が適正-グロース氏
ガンドラック氏はインタビューで、10年債利回りは「トレンドラインが崩れた」とし、現在の水準よりも低下する「余地がかなりある」と指摘。経済の下振れが「対応を招くと思う」と述べ、かなりの金融緩和が必要になるとの見解を示した。
世界最大の債券ファンドを運用していたグロース氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ガントラック氏の予想通りの幅の利下げが実施されたとしても、10年債利回りが来年に3%まで低下するとの予想は「ばかげている」と一蹴した。
12、13日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の発表で、金融当局が来年3回の利下げを見込んでいることが示され、市場の予想よりもハト派的な結果となったことが米国債利回りの低下につながった。米国債相場は年間ベースで3年ぶりの上昇で今年を終える方向にあり、ブルームバーグ米国債指数は年初から足元までで3%近い上昇となっている。
指標となる米10年債利回りはアジア時間14日の取引で3.9%台まで低下。10月に付けたピークの5.02%程度から大きく水準を切り下げている。2年債利回りとの逆イールドは解消されていないが、スプレッドはここ2営業日で16bp縮小して37bp程度となっている。
ガントラック、グロース両氏は唯一、イールドカーブが順イールドに戻るとの見方で一致している。グロース氏は、大部分が短期ゾーンの利回り低下を通じて逆イールドが解消されるとの見通しを示していた。
FOMC後に実施された「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査によると、190人の回答者の大多数が、より長い年限の米国債利回り低下はこれ以上進まないとするグロース氏の見方を共有している。来年末時点の米10年債利回り水準については、回答の平均値が3.98%。回答者からは来年の利下げ回数に関して市場の織り込みは行き過ぎとの意見もあった。ブルームバーグがまとめたデータによると、金利トレーダーは、約150bpの利下げを織り込んでいる。
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