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概要:ディールメーキングの低迷、地銀の相次ぐ破綻、人員削減など、波乱に富んだウォール街の2023年。トレーダーはボーナス横ばいから微増で年末を迎えそうだ。
2023年12月20日 0:32 JST
JPモルガンやシティ、ボーナスプールは横ばいの見通し-関係者
ウォール街全体ではトレーダーの報酬総額は昨年と同程度-人材会社
ディールメーキングの低迷、地銀の相次ぐ破綻、人員削減など、波乱に富んだウォール街の2023年。トレーダーはボーナス横ばいから微増で年末を迎えそうだ。
事情に詳しい関係者によると、JPモルガン・チェースでは、トレーダー向けのボーナスプールの総額は2022年と比べてほぼ横ばいとなる。過去数十年で最大の組織再編を行っているシティグループでも状況は同様で、ボーナスプールは若干減ることがあっても、ほぼ横ばいとなる公算が大きいという。非公開情報であることを理由に別の関係者が匿名で語った。
ゴールドマン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、多くのトレーダーに対して少なくとも数パーセントの増額を検討しているようだ。ゴールドマンは業界全体の低迷と戦略のつまずきで数十億ドルの損失を出した昨年にボーナスを削減したため、今年は引き上げの余地がある。BofAはトレーディング収入が好調で同業他社に業績面で差を付けている。
ウォール街の年末ボーナスはここ数年、上下に大きく変動していた。2020年の新型コロナ禍が市場取引やディールメーキングに活況をもたらし、それが人材争奪戦にもつながったためトレーダーの報酬は急増。2022年には金利上昇で顧客の活動が抑制され、ボーナスが大きく減少した。
ニューヨークの人材紹介会社クエスト・グループのマネジングディレクター、マイケル・ネルソン氏は「今年は5番街でのパレードはないだろう。全体的に軟調になると思われ、ハイイールド債や金利などの一部事業が他より高くなる程度の微妙な差になるだろう」と語った。
各社の状況を見ると、どこも低迷から抜け出せていないことがうかがえる。人材会社オプションズ・グループは11月のリポートで、ウォール街全体ではトレーダーの報酬総額は恐らく昨年と同程度になり、債券部門は3%の増額、株式部門は3%の減額になると予測している。
各行の担当社はコメントを差し控えた。ボーナスはまだ検討段階であり、今後数週間で変更される可能性がある。
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