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概要:サマーズ元米財務長官は市場で米金融緩和への期待が急速に高まる中、投資家はインフレのリスクを恐らく過小評価しているとの見方を示した。
「ソフトランディング」を達成したと宣言するのは時期尚早
連邦政府の賃上げやストをインフレ圧力の潜在的要因に挙げる
ブルームバーグテレビジョンでインフレについて語るサマーズ氏
サマーズ元米財務長官は市場で米金融緩和への期待が急速に高まる中、投資家はインフレのリスクを恐らく過小評価しているとの見方を示した。
サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組で「市場が恐らく過小評価しているというリスクはまだある。インフレに関して人々が望むほどの進展は遂げないだろうし、米金融当局の緩和余地も人々が望むほどはないだろうと考えている」と述べた。
インフレ率は今年、米金融当局者やエコノミストらの予想よりも速いペースで低下してきた。金利先物市場では現在、2024年に1.5ポイント超の利下げが実施されると織り込まれている。
連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数は11月までの6カ月間に年率1.9%上昇と、ここ3年余りで初めて当局の2%目標を下回った。
「われわれが持続的な意味で、目標であるインフレ2%の国であるのか確信はない」とサマーズ氏は発言。連邦政府の賃上げやストライキ活動、労働市場の逼迫(ひっぱく)、地政学リスク、住宅価格の上向きをインフレ圧力の潜在的要因として挙げた。ハーバード大学教授の同氏はブルームバーグテレビジョンに定期的に出演する。
その上で、「いわゆる『ソフトランディング』が起こったと宣言するのは時期尚早だ」と指摘。ただ「6、8カ月前よりその可能性が高く見えるのは確かだ。ソフトランディングとなれば経験に対する期待の勝利だが、期待が経験に勝利することは時折あると私は常に言ってきた」と続けた。
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