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概要:米連邦準備制度理事会(FRB)理事を2006-09年に務めたランドール・クロズナー氏は10日、多くの投資家やエコノミストが3月の利下げを想定していることについて、労働市場が依然として堅調である中で、時期尚早との認識を示した。
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2024年1月11日 9:54 JST
先物の動向によれば3月のFOMC会合での利下げ確率60%超
労働市場にスラック見いだすまで金利は現行水準維持へ-ラジャン氏
米連邦準備制度理事会(FRB)理事を2006-09年に務めたランドール・クロズナー氏は10日、多くの投資家やエコノミストが3月の利下げを想定していることについて、労働市場が依然として堅調である中で、時期尚早との認識を示した。
クロズナー氏はシカゴ大学ブース経営大学院で講演し、「市場は先走りだ」とし、「連邦準備制度が追加利上げする可能性は低いが、だからといってそれが3月の利下げを意味するわけではない」と語った。
同氏は「失業率が現行水準よりかなり上昇しない限り、今の状況を脱することはできない」とみていると指摘。金融当局は拙速な利下げでインフレを再び上昇させるリスクは避けたいところだろうと話した。
先物の動向によれば、投資家は現在、年内の利下げ幅を約140ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と見積もっており、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での緩和開始確率は60%超。
クロズナー氏は、賃金の上昇と企業の支出増により労働需要が減少する中で、今年の景気鈍化を予想。減速は年半ばまでに見られる公算が大きいという。失業率は昨年12月の3.7%から「かなり」の上昇を見込んでいる。
インド準備銀行(中央銀行)総裁を務め、現在シカゴ大学ブース経営大学院教授のラグラム・ラジャン氏も同じイベントで、連邦準備制度の当局者は労働市場にスラック(たるみ)を見いだすまで金利を現行水準に維持するだろうとの見方を示した。「3月に連邦準備制度が利下げに踏み切るとの期待は時期尚早。市場は利下げ予想に躍起だ」と述べた。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はこの日、金融政策はインフレ率を金融当局の目標に戻すのに十分なだけ引き締められているが、利下げ前にインフレの落ち着きを示す証拠がもっと必要だとの認識を示している。
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