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概要:欧州中央銀行(ECB)当局者は、最近まで利下げへの言及にさえ慎重だったが、今では6月の開始について隠さず発言する様相が強まった。
夏の利下げについて質問されたラガルド総裁は「あり得る」と説明
6月より前の利下げを織り込む投資家の見方は退けた
欧州中央銀行(ECB)当局者は、最近まで利下げへの言及にさえ慎重だったが、今では6月の開始について隠さず発言する様相が強まった。
世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席したラガルド総裁らは、6月より前の利下げを織り込む投資家の見方を退ける一方、今年半ば前後に動く可能性を示唆した。そのころになれば、インフレや賃金、足取りの重い景気の動向、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の商船攻撃に伴うサプライチェーンの損害に関し、より多くの情報が得られる見通しだ。
夏の利下げの可能性について質問されたラガルド総裁は「あり得る」と説明。不確実性が引き続き高く、全ての指標がECBが望む水準にあるわけでないと警告したものの、意図を明確に示すメッセージと受け止められた。
INGのマクロリサーチ・グローバル責任者カルステン・ブルゼスキ氏は「この発言には少し驚かされた。そのようなことをECB総裁が言えば、それはプリコミットメントのようだ。6月の利下げ可能性が発言後に大いに高まったように思われる」と指摘した。
次回の政策委員会に向け、金融政策に関する対外的な発言を控えるブラックアウト(沈黙期間)が18日から始まる。政策決定に関する声明が25日に公表されるが、ECB当局者は明確なガイダンスを提供したがらないとも考えられる。
過度な緩和の織り込みは金融情勢を緩め、2%の物価目標達成を難しくしかねないというラガルド総裁の警告を含め、投資家は最近の一連発言に手掛かりを求めることになりそうだ。
ECB政策委メンバー、ナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は、このテーマを協議すること自体が時期尚早とこれまで述べてきたが、今週に入り「夏休み」が適切な検討時期かもしれないと認識を示した。
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