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概要:原油市場は昨年末時点で需給が逼迫(ひっぱく)していたと広く考えられていたが、実際には供給過剰だった可能性が出てきた。
IEA、23年10-12月は供給超過との見方に変更
OPECは25年までかなりの供給不足が続くと予想
原油市場は昨年末時点で需給が逼迫(ひっぱく)していたと広く考えられていたが、実際には供給過剰だった可能性が出てきた。
原油トレーダーや国際機関は1年前の時点で、原油相場が2023年10ー12月期(第4四半期)に年内の最高値を付けると予想。新型コロナウイルス禍後の中国の需要回復を背景に1バレル=100ドルまでの上昇が見込まれていた。
最近でも石油輸出国機構(OPEC)が記録的供給不足を予想しているが、原油価格上昇にはつながっていない。
原油相場は昨年10-12月(第4四半期)に20%程度下落し、足元では中東情勢の混迷にもかかわらず80ドルを割り込んで推移している。
国際エネルギー機関(IEA)は18日発表した最新月報で、23年10-12月期の石油需給について米国の生産拡大を背景に日量56万バレルの供給超過との見方を示しており、需給の緩和懸念が相場に反映されている可能性もありそうだ。IEAは1年前、同期間の需給について日量200万バレルの供給不足を想定していた。
OPECは世界の原油市場について、今年から来年いっぱいまでかなりの供給不足が続くとの見通しを維持。
今年の需要増加見通しに関しては、OPECはIEA予測を倍近い水準としているが、外れた場合の保険として追加減産に踏み切ったとの見方もできる。
原油相場の回復期待を捨てきれないトレーダーは、強弱入り混じった需給関連の材料を慎重に見極める必要がありそうだ。
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