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概要:内閣府が14日に発表した2018年10─12月期国内総生産(GDP)は、2四半期ぶりにプラス成長となったものの、頼みの外需は、GDP寄与度がマイナスのままだった。世界経済の減速懸念が強まる中、円高反転懸念や世界的投資減速など、輸出には下方圧力がかかり続け、消費の先行きも不透明感がぬぐい切れない。経済財政諮問会議の民間議員の中では、次の外的ショック発生時に財政拡大するべきとの声が早くも出ている。 <年明け後もさえない外需> <
[東京 14日 ロイター] - 内閣府が14日に発表した2018年10─12月期国内総生産(GDP)は、2四半期ぶりにプラス成長となったものの、頼みの外需は、GDP寄与度がマイナスのままだった。世界経済の減速懸念が強まる中、円高反転懸念や世界的投資減速など、輸出には下方圧力がかかり続け、消費の先行きも不透明感がぬぐい切れない。経済財政諮問会議の民間議員の中では、次の外的ショック発生時に財政拡大するべきとの声が早くも出ている。
<年明け後もさえない外需>
10─12月期の実質GDPは、前期の年率マイナス2.6%から回復したものの落ち込みを全て「取り戻す」までには至らず、2018年の成長率も前年比プラス0.7%と潜在成長率並みの伸びにとどまった。
内閣府幹部は、プラス成長に戻ったことで、この先の国内景気が「緩やかな景気回復を続けていくだろう」と楽観的な見通しを示す。
しかし、先行きは気がかりな「雲」が覆っており、決して「視界良好」とは言えない。
日本経済の成長エンジンとなっている外需は、3四半期連続でマイナス寄与となった。
外需の動向を推し量る材料となる指標は、年明け後も不安な結果を示している。1月上中旬の貿易統計では、輸出が前年比8.9%減と2カ月連続の減少。1月工作機械受注は、外需が前年比が20%減と落ち込んだ。18年前半は5割増と好調だったが、同年11月から急減速している。
<米経済にも先行きに懸念の声>
複数のエコノミストは、輸出減少の背景には、中国経済の減速のほか、世界的な設備投資の停滞の兆候もうかがえると指摘する。米国では、足元で資本財受注が停滞しており、米中貿易摩擦や政府閉鎖など不確実性の高まりを受け、米国企業が設備投資を先送りしている可能性が指摘されている。
SMBC日興証券・チーフマーケットエコノミストの丸山義正氏は「2020会計年度に予想される米財政の崖も響き、米国経済が19年終盤から軽微な景気後退に入り、世界経済全体も失速する」と予想。米中貿易摩擦や新日米通商交渉のマイナスを勘案しなくても、日本の輸出が失速する可能性があると述べている。
楽観的な見方の内閣府幹部も「今のところ米中通商交渉は日本への影響がないが、不透明感が強まれば日本企業のマインドを慎重化させ、設備投資に影響するリスクもある」と予想している。
<高まる円高への反転リスク、インバウンドにも影響>
10─12月期GDPで大きく伸びた消費にも、陰りが見える。1月景気ウォッチャー調査では、足元のDIが2カ月連続の悪化。1月消費者態度指数も2年2カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。
食品の値上がりや燃料価格・サービス価格の上昇など、身近なモノ・サービス価格の上昇が、消費者心理の悪化に影響を与えていると政府関係者は分析している。
伊藤元重・学習院大学教授は、19年の成長率のキーポイントの1つとして、円相場の動向を挙げている。
同教授は、1月24日のフォーリンプレスセンターでの講演で「為替について2つ気がかりな点がある。1つは実質実効レートが1980年代の円安水準と同程度となっていること。2つ目は、日銀の政策に手詰まり感があり、円高対応ににらみが効かない点だ」と指摘した。
米国景気の減速が顕著になれば、今は利上げの一時停止を表明している米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じ、超円高に振れるリスクが高まるとみられていることが背景にある。
BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は「インバウンド・ブームの底流には、実質ベースで超円安が続いていることがある」と指摘。円高になれば、外国人観光客数自体や消費額にも影響するとみている。
実際、足元における中国からの観光客の日本における購買額が減速傾向にあるのは、最近の元安/円高傾向も影響しているとの指摘が、複数の流通業界関係者からも出ている。
河野氏は、インバウンド向けの過剰設備が積み上がっている点にも言及。インバウンド向け販売減少が顕著になった場合、そこに貸し出ししている金融機関の収益にも打撃となるリスクを懸念している。
<財政拡大議論も>
経済財政諮問会議の民間議員、柳川範之・東京大学大学院教授は「経済的ショック時には、財政支出で一時的に対応する必要がある」と語る。消費増税に向けて18年度補正や19年度予算に盛り込んだ対策とは別に、海外ショックに備えるべく機動的な財政拡大が行われる可能性に言及している。
外的なショックが発生した場合には、消費増税対策とは別建てに、大きなフレームの財政出動の可能性も、ゼロではなさそうだ。
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