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概要:Liam Proud [ロンドン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の自動車産業が末期的な衰退に向かっていると断言するのは時期尚早だ。ホンダ<7267.T>の英工場生産終了方針は、どちらかと言えば英国の競争力ではなく、同社固有の戦略的問題に起因する面が大きい。とはいえ英国は、世界的な自動車メーカーによる電気自動車(EV)製造の約束を必要としており、その点で欧州連合(EU)離脱は大きな足かせになるだろう。 英国人は、自国の自動車セ
Liam Proud
[ロンドン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の自動車産業が末期的な衰退に向かっていると断言するのは時期尚早だ。ホンダ(7267.T)の英工場生産終了方針は、どちらかと言えば英国の競争力ではなく、同社固有の戦略的問題に起因する面が大きい。とはいえ英国は、世界的な自動車メーカーによる電気自動車(EV)製造の約束を必要としており、その点で欧州連合(EU)離脱は大きな足かせになるだろう。
英国人は、自国の自動車セクターの18万6000人に上る労働者の生産性が、実はドイツの同業者より高いと知ったら驚くかもしれない。昨年英国で生産された乗用車・トラックは約160万台、労働者1人当たりで8.6台だった。これは2016年のおよそ11台からは減少したが、依然としてドイツで近年記録されてきた1人当たり7台前後よりも高い。
約3500人を雇用するホンダのスウィンドン工場は、例外的な存在だ。競争が激しい欧州市場において、同社の事業規模は下位グループに属しているし、この工場の稼働率は64%程度にとどまっている。自動車業界の一般的な尺度では、稼働率が80%に達しないと採算ラインに乗らない。英サンダーランド工場で新モデルを生産するという2016年の約束を撤回した日産自動車(7201.T)とともに、ホンダの工場の生産終了は、最近日本とEUが結んだ経済連携協定で関税撤廃と本国からの輸出が可能になったことが背中を押した。
英国に存在する他の33カ所の自動車工場で働く人々は、それぞれのメーカーが同国で次世代のEVを生産するサインが出てくるか見守っている。ただこれまでのところは、不安材料しかない。
英自動車工業会(SMMT)のデータによると、新規生産設備などの分野における国内自動車セクター向け投資額は、昨年半減して5億8900万ポンドにとどまった。英国で組み立てられた自動車の半分以上が欧州大陸に輸出される以上、EUと英国の将来の関係がどうなるかを巡る不透明感が大きく作用したのは間違いない。
またブレグジット(英のEU離脱)後に移民規制が予想されることで、英国で高技能労働者の確保がさらに難しくなるだろう。英自動車業界は今でも5000件もの求人が埋まっていない点を見れば、既に採用面で苦戦していることが分かる。一方、英国の自動車関連研究開発費は年間40億ポンド弱で、フランスの50億ポンド、ドイツの190億ポンドを下回っており、英国がスタートから出遅れていることを意味する。
今後何が起きても自動車セクターの雇用は減少する可能性がある。ドイツ金属産業労組のトップの話では、EVのバッテリー工場は、エンジン工場に比べて5分の1程度の人手しか必要としないからだ。それでもブレグジットは英国の自動車産業の発展をさらに遅らせる要素であり、労働者には迷惑でしかないだろう。
●背景となるニュース
*ホンダは19日、英国で唯一のスウィンドン工場の生産を2021年に終了すると発表した。3500人の雇用に影響する。八郷隆弘社長は「ブレグジットの情報に基づく決定ではない」と述べた。
*日産自動車は2日、欧州市場向け次世代「エクストレイル」の生産に九州の工場を活用する方針を明らかにした。2016年時には、この車は英サンダーランド工場で生産する計画だと発表していた。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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