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概要:軍人たちは1つ前の戦争に勝つ方法を熱心に研究している(だから現在の戦争には何の役にも立たない)としばしばからかわれるとすれば、エコノミストや投資家は、次の景気後退(リセッション)を直近のケースになぞらえるのが普通だ。 米国債のイールドカーブは長短利回りの逆転(逆イールド)が進み、製造業の活動と貨物のフローが幅広く悪化していることから、投資家は今年か来年に米国にリセッションが到来する可能性に注目している。
John Kemp
[ロンドン 26日 ロイター] - 軍人たちは1つ前の戦争に勝つ方法を熱心に研究している(だから現在の戦争には何の役にも立たない)としばしばからかわれるとすれば、エコノミストや投資家は、次の景気後退(リセッション)を直近のケースになぞらえるのが普通だ。
米国債のイールドカーブは長短利回りの逆転(逆イールド)が進み、製造業の活動と貨物のフローが幅広く悪化していることから、投資家は今年か来年に米国にリセッションが到来する可能性に注目している。
しかしリセッションがいつやってくるにせよ、その深刻度や長さの点で、2008年の世界金融危機後に起きた前回のリセッションとは似ても似つかない姿になるだろう。
第2次大戦以降、リセッションは総じて期間が短く、程度は軽くなってきた半面、景気拡大はより長期化し、緩やかさが目立ってきた。
戦後のリセッションがそれほどひどくならなかったのは、経済や労働力の構成と個人所得をもたらす要素が変化したためだ。
財政・金融政策によって景気循環の振れが抑えられ、経済の安定度が増した面もある。
対照的に世界金融危機後の前回のリセッションは、むしろ戦前との共通性が高い。
07年12月から09年6月までに米国の製造業生産は約21%減少したが、この落ち込み幅はそれ以前の10回のリセッションの平均である8.4%の2倍以上だ。
前回のリセッションは1年半続き、全米経済研究所(NBER)景気循環判定委員会によるとこれも戦後のリセッション平均の10カ月のほぼ2倍になった。
07年から09年にかけては金融システムの大部分で流動性枯渇と債務超過が発生し、それ以前の10回のリセッション時よりも実体経済を悪化させてしまった。
この経験が集団の記憶として焼き付けられたわけだが、次のリセッションを同じぐらい痛みが激しいと想定すれば判断を誤る。それは最悪のシナリオと最も起こり得る結果を混同することになる。
統計的に言えば、次のリセッションは期間が1年弱とより短期化し、経済活動や雇用、所得の縮小もずっと小幅にとどまる公算が大きい。
だからコモディティの消費と価格動向に次のリセッションが及ぼす影響はずっと小さくなり、他の資産価格への影響も弱まる。
今のところ、かつてサブプライム住宅ローンのバブルとその崩壊をもたらした市場の過剰な自己満足感や与信基準の緩み、積極的なリスクテークなどの兆しはまだわずかしか見当たらない。
クレジットの質は循環的で、現在の景気拡大が長引くほど今後低下し続けるだろう。しかし低下の度合いがそれほど大きくない限り、次のリセッションが08年のような大きな金融危機によって助長されそうにはない。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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