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概要:NTTドコモが6月1日から始める「スマホおかえしプログラム」。分離プランの導入による端末購入補助禁止をきっかけに生まれた同プログラムは、本当に家計の優しいのか?
撮影:伊藤有
NTTドコモは先週、スマートフォンの新しい買い方となる「スマホおかえしプログラム」を発表。すでに発表済みの新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」とともに6月1日よりスタートする。これにより、通信料金と端末代金が別々となった「分離プラン」が本格化する。
「36回分割」「最大12カ月分免除」の理由
スマホおかえしプログラムを発表するNTTドコモの吉澤和弘社長。
撮影:伊藤有
スマホおかえしプログラムは、高性能なハイエンドスマホを36回の分割払いで購入。24回目の支払い後、残りの最大12回分の分割支払い金を免除するというものだ。その際、使っていた端末を返却する必要がある。
今後、電気通信事業法の改正により分離プランの導入が必須となり、端末購入補助が行えなくなる。しかし、高額なハイエンドスマホを24回払いの割賦にしたところで、月々の負担額が増大してしまう。そこで、支払い回数を増やすことで、月々の負担額を減らしていくというのがこのプログラムの肝と言える。
こういったプログラムはすでにKDDI(au)やソフトバンクでも導入済みだ。KDDIとソフトバンクは48回払いで、24回の支払い後の機種変更で最大24回分の支払いが免除となるが、端末は返却し、新たに機種変更することが条件となる。
ただ、48回払いや機種変更が条件となる仕組みは、公正取引委員会から「消費者を長期間、囲い込みすぎている」とにらまれている状態だ。今後、48回払いなどの是正が入る可能性があるため、NTTドコモでは36回払いを着地点とした可能性が高い。
免除額が少ない分、端末代を安くしたNTTドコモ
Business Insider Japan
KDDIやソフトバンクは48回払いのうち、24回払い分が免除される。一方で、ドコモは36回払いのうち、12回分の免除だ。これでは「ドコモのほうが旨味がない」と一見、思えてしまう。
しかし、ドコモではスマホの本体価格自体を大幅に安くしている。例えば、3キャリアで取り扱われているソニーモバイル製「Xperia 1」の本体価格(いずれも税込)で比較すると、ドコモが10万3032円、KDDIが11万2320円、ソフトバンクが13万6320円だ。他社よりも1〜3万円近く安い値付けになっているのがわかる。
また、他社のプログラムは月額数百円の有料オプションだが、ドコモのスマホおかえしプログラムは無償提供だ。
さらに、Xperia 1や「AQUOS R3」(シャープ)など3キャリアで提供されているスマホの本体価格は、実はドコモがかなり安い値付けになっている。一括や通常の分割払いで購入すると「ドコモで購入するのがお得」と言えるのだ。
実際、ドコモ販売部長の高本寛氏は、端末価格について「メーカーから調達した価格に対して、適正な粗利を載せて卸している。しかし、分離プランの導入で端末価格が高くなる場合もあるので、粗利の部分でかなり努力した」と語り、ドコモの儲け分を減らしたことを示唆している。
元メーカー関係者に確認したところ「これまでのドコモはAndroidスマホにかなりの粗利を載せていた。今回の値付けを見ると、相当、ドコモは“勉強”(安く)した様子が伺える」という。
ちなみに、ドコモでは6月1日から、既存のラインナップにあるスマホも価格改定し、値下げに踏み切る予定だという。
現ドコモユーザーが気をつけるべき2つのポイント
撮影:伊藤有
分離プランの導入によって「端末代金の負担が大幅に増加する」と見られていたが、ドコモの「企業努力」によって、劇的に負担額が増すというのは回避されたと言える。むしろ、「XperiaやGalaxy、AQUOSのハイエンド端末を買うならドコモ」という雰囲気にもなってきた。
しかし、ドコモユーザーが新たにスマホを買うときに気をつけなくてはいけないことが2つある。
機種変の注意点 1. 「機種変端末が月々サポートを受けていないか」
1つは、現在使っているスマホが「月々サポートを受けているか」という点だ。月々サポートとは、購入した機種に応じた月々サポート適用金額を毎月の利用料金から割引くサービスで、24回の割引が受けられる。
仮に月々サポートを受けている途中で、新スマホに機種変更してしまうと、月々サポートの適用が終了してしまう。もし、新しい料金プランに移行する、もしくは新しいスマホを購入したいというときは、月々サポートが終了してから機種変更した方が損しないことになる。
機種変の注意点 2. 「docomo withを使っていないか」
2つめは、ドコモが提供している毎月1500円割り引くサービスである「docomo with」の存在だ。docomo withでは、料金プランを変更しなければ、新スマホに機種変しても毎月1500円が割引されつづける。
「新料金プランとdocomo withでどちらが通信料金の支払いが安くなるか」の検討は必要だが、例えばdocomo withの回線をシェアパックの子回線で契約すると月々の支払額を抑えられる傾向にある。
「ハイエンドスマホを毎年、買い換えたい」という人は、今後もdocomo withを継続し(つまり料金プランは変更せず)、「スマホおかえしプログラム」をあえて適用しない方がおトクになる場合がある。一括もしくは12回払いで、「KDDIやソフトバンクよりも安いハイエンドスマホを買う」というのも悪くない。ちなみに、docomo withは今からでも2019年5月末まで契約可能だ。
分離プランの導入は「通信プランの料金競争」が本来の目的だったが、意外にも「本体価格の競争」が起き始めている。その点、ドコモの値付けがアグレッシブで、今後も注目になってきたと言えそうだ。
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(文:石川温、撮影:伊藤有)
石川温:スマホジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜22時からの番組「スマホNo.1メディア」に出演。
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