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概要:バフェットは1972年に2500万ドルでこのチョコレートメーカーの株を購入した。今ではバークシャー・ハサウェイに20億ドル以上の利益をもたらしている。
Facebook/See's Candies
投資の神様、ウォーレン・バフェットは、アップルやコカ・コーラに投資していることがよく知られているが、彼の「夢のビジネス」は、チョコレートの詰め合わせを販売する、カリフォルニアのシーズ・キャンディーズだ。バフェットは1972年に同社を買収した。
オマハの賢人とも呼ばれるバフェットは、シーズ社の並外れた利益、控え目な資金需要、経済的な堀、優れた人材、そしてチョコレートそのものを称賛してきた。
ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)は、アップル(Apple)、コカ・コーラ(Coca-Cola)、アマゾン(Amazon)、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)など、有名な企業に投資してきた。だが、チョコレートの詰め合わせを販売するカリフォルニアのシーズ・キャンディーズ(See's Candies)こそが、投資の神様の「夢のビジネス」だ。
1972年にこの会社を買収して以来、バフェットは度々、シーズを称賛している。バフェットとその投資パートナーであるチャーリー・マンガー(Charlie Munger)は「並外れたリターンを得て、楽しい時を過ごした」と1991年の株主宛の手紙に記している。そして1994年には「我々はぜひとも、シーズへの経済的関心を高めたいところなのだが、100%以上保有する方法を見つけられていない」と、1994年に記している。
オマハの賢人(Sage of Omaha)とも呼ばれるバフェットは、シーズの並外れた利益、控え目な資金需要、経済的な堀(競争優位性)、優れた人材、そしてチョコレートそのものを称賛してきた。バフェットが絶賛する、シーズ・キャンディーズの強みを見てみよう。
Advertisement投資リターンは8000%
Facebook/See's Candies
バフェットがシーズ・キャンディーズに夢中になる最大の理由はおそらく、莫大な利益だろう。1972年の投資以来、リターンは8000%以上になっている。
「2500万ドル(約25億8100万円)投資し、20億ドル(約2065億円)以上の税引前利益を得た。利益は20億ドルを大きく超えている」と、2019年のバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の年次株主総会で、バフェットは述べた。
シーズはバフェットが買収した当時、年間売上3000万ドル(約31億円)、税引前利益は500万ドル(約5億1600万円)以下だった。そこから、入手可能な最新のデータによると、売り上げは3億8000万ドル(約390億円)以上、利益は8000万ドル(約83億円)へと成長している。
バフェットは、わずか500万ドルをめぐって買収から手を引こうとしていたシーズ社から得た数十億ドルに感謝しているだろう。
「シーズの買収は失敗に終わりそうだった」と2007年にバフェットは記している。
「売り手の言い値は3000万ドルだったが、私は2500万ドル以上は出さないと譲らなかった。幸い、相手は降参した。そうでなければ、20億ドルは他の誰かの元へ渡っていたことだろう」
金のなる木
Facebook/See's Candies
バフェットは、シーズ社の控え目な資金需要も称賛してきた。
チョコレートを現金で売ることは即座に利益が得られるということを意味し、生産と流通のサイクルが短いと在庫に縛られる資金を最小限に抑えることができると2007年にバフェットは記している。
シーズはバークシャー・ハサウェイから受けたわずか4000万ドル(約41億3000万円)の投資で、20億ドル以上の利益を生み出し、バフェットが他のベンチャーに投資するための資金源となっている。
「アダムとイブが60億の人類の幕を開けたのと同じように、シーズは我々に資金の新たな流れをいくつも与えてくれた(聖書に書かれている「産めよ増やせよ(be fruitful and multiply)」という教えを、バークシャーでは真摯に受け止めている)」とバフェットは2007年に記している。
「こうしてシーズは、バークシャーが他の事業を買収するための多くの資金や、自らが配当に当てる大きな利益を生み出している(ウサギの繁殖を想像するといい)」とバフェットは2014年に記している。
ブランド・ロイヤルティーによる競争優位性
ウォーレン・バフェット(左)とイーロン・マスク(左)
Alex Wong/Getty, REUTERS/Rebecca Cook
シーズ社にとって鍵となる競争上の優位性が2つある。それはブランドの知名度と忠実な顧客層で、これにより同社は価格を上げやすく、ライバル社はビジネスの模倣が難しくなる。
「カリフォルニアの人々がシーズ・キャンディーズについて考えていることは、圧倒的に好意的なものだった」と1998年にフロリダ大学(University of Florida)のビジネススクールの生徒らに語った。
「バレンタインデーに、生徒が女の子にシーズのチョコレートを持って行ったら、その子がお礼にキスをしてくれた…シーズ・キャンディーズでキスしてもらえる。そうしたイメージを作ることができれば、価格を上げることができる」
シーズ社は「製品についてもスタッフについても、顧客の数多くの経験に基づいた、良い評判」が多い、とバフェットは1983年に記した。そして、魅力的なブランドイメージのおかげでシーズ社は価格を製造コストではなく、顧客にとっての製品の価値によって設定することができている、と付け加えた。1972年に1ポンド(約450グラム)2ドル(約210円)足らずだった価格を20ドル(約2100円)以上に上げたのも驚くべきことではない。
テスラ(Tesla)のCEO、イーロン・マスク(Elon Musk)が2018年の業績発表で、ブランド・ロイヤルティーのような経済の堀(競争優位性)を「時代遅れだ」と批判したとき、バフェットは反論した。「イーロンはある分野では物事をひっくり返すかもしれないが」と翌年の年次株主総会で述べたとフォーチュン(Fortune)は伝えている。
「キャンディーでは、我々を相手にしたくはないと思っているだろう」
優れた人材
Facebook/See's Candies
バフェットは、シーズ社の経営陣や従業員も称賛してきた。
「チャーリーと私は、買収の約5分後に、チャック・ハギンズ(Chuck Huggins)をシーズ社のCEOに据えた」と1988年に記した。
「彼の業績を振り返ると、なぜそんなに時間がかかったのかと思うかもしれない」
ハギンズはその「顧客とブランドへの愛情が浸透した組織」で、在籍34年間に利益を10倍にしたとバフェットは2005年に記した。
「キャンディーストアに行くのは楽しいが、オーナーにとって、それは必ずしも楽しいものではない」とバフェットは1987年、投資家に語った。
「我々の知る限り、シーズ社以外に近年菓子店の経営で大きな利益を上げた企業はほとんどない。明らかに、シーズにおけるチャックの業績は業界の繁栄によるものではない。むしろ、独自の実績だ」
ハギンズは間違いなくシーズの成功に貢献したが、2006年の引退で同社の業績が悪化することはなかった。後継者のブラッド・キンストラー(Brad Kinstler)が「飛躍させている」とバフェットは2011年に記した。
バフェットは、シーズの顧客サービスも高く評価している。
「明るく親切なスタッフが、箱に付いたロゴマークと同様に、シーズのトレードマークだ」とバフェットは1983年に記した。
チョコレート
Facebook/See's Candies
シーズのチョコレートのファンであるということも、バフェットが同社を気に入っている理由の1つだ。シーズの製品は、バークシャー・ハサウェイの株主総会でも長年販売されている。実際、2013年には1万3400ポンド(約6トン)以上を消費した。
「チャーリーと私はそれぞれ、NFLのラインマンの必要カロリーを満たすことができるくらいのコーラとシーズのファッジとピーナッツ・ブリットルを買う」と、2015年の手紙で次の総会に向けて約束した。
「ずいぶん前に真実に気付いていたんだ。本当にお腹が空いている時は、ニンジンやブロッコリーを食べるのが一番で、そうでありたいものだ」
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[原文:Warren Buffett's favorite business is a little chocolate maker with an 8000% return. Here are 5 reasons why he loves See's Candies.]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)
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