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概要:欧州中央銀行(ECB)が利上げを始めてから1年が経過し、当局者は既にECB創設以来最も厳しい引き締めキャンペーンの最終段階について議論している。
2023年7月24日 13:33 JST
27日は0.25ポイントの利上げを実施する見込み
9月利上げはデータ次第、タカ派もコミットせず
欧州中央銀行(ECB)が利上げを始めてから1年が経過し、当局者は既にECB創設以来最も厳しい引き締めキャンペーンの最終段階について議論している。
今週フランクフルトに集まる政策委員会メンバーは、昨年7月以来実施してきた利上げ計4ポイントに加え、中銀預金金利をさらに0.25ポイント引き上げ3.75%とする構えだ。
ECB Tightening Has Never Been More Aggressive
Source: ECB, Bloomberg
しかし、9月に開催される次の会合について指針を示す可能性は低く、最後の一手を模索する向きもあれば、小休止を好む向きもある。最近、政策委のタカ派的メンバーが融和的な発言をしているが、この議論はまだ続いている。投資家やエコノミストは、ピーク金利を4%とみている。
ゼネラリ・インベストメンツ・ヨーロッパのシニアエコノミスト、マルティン・ウォルブルク氏は、「インフレ率を目標に向かわせるが、利上げサイクルが終わりが近づいていると明確にすることがECBにとって一番の難題だ。金利はピーク時の水準に長くとどまるというメッセージになるだろう」と話した。
ブルームバーグの調査に答えたアナリストは、早ければ来春にも利下げがあると予想している。過去の当局者発言が不正確であったことが、そうした疑念に拍車をかけるかもしれない。ラガルド総裁が2021年後半にその後1年の利上げの「可能性は極めて低い」と述べたのが一例だ。
ロシアがウクライナに仕掛けた戦争がインフレを加速させ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)後の景気回復を台無しにした後、ECBや他の主要中銀は信頼性を回復させるだけでなく、経済のソフトランディングを実現するためにこの1年半の大半を費やしてきた。
ECB、将来の金利見通し説明に不安-適切な伝達が7月最大の課題に
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利上げの効果が表れるには1年以上のタイムラグがあることを踏まえると、急激な利上げがもたらし得る影響はECBの意思決定にとって、9月までに発表される数々の経済指標と同じくらい重要になる。
利上げ開始から1年が経過し、総合インフレ率は5.5%とピーク時からほぼ半分になったが、エネルギーと食品を除くいわゆるコアインフレ率は依然、1年前より高い。総合インフレ率も目標の2%に近づくのは25年と予想されている。
景気
一方、景気は、エネルギー価格と借り入れコストの上昇が家計を圧迫しているにもかかわらず、今のところ後退を免れている。驚くほど力強い労働市場が消費を支えている。しかし、一部のセクター、特に製造業は苦戦している。ユーロ圏最大の経済大国であるドイツの国内総生産(GDP)は冬季に縮小した。
このような背景の中でECB当局者は利上げのフィナーレを巡り対立している。
ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、成長が弱く、その結果インフレ率が低下する可能性を指摘。イタリア中銀のビスコ総裁も同様に、物価上昇圧力は予想よりも早く弱まる可能性があると発言している。両者とも9月の利上げ一時停止を支持する公算が大きい。
Source: Bloomberg Economics
一方、ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は、インフレに対する「ある種の勝利」を宣言するのは時期尚早だと主張し、秋にもう一段の利上げが必要になる可能性を示唆した。
しかし、伝統的なタカ派であるオランダ中銀のクノット総裁は先週、7月を過ぎてから行動する「可能性はあるが、確実ではない」とブルームバーグテレビジョンに述べた。
2つの中銀
スウェドバンクのチーフエコノミスト、ネリユス・マチュリス氏は、「ユーロ圏経済にどれだけの引き締めが必要なのか、政策委でも意見が分かれてきている。追加利上げの扉は開けておくだろうが、『まだ終わっていない』と繰り返すことは控えるだろう」と述べた。
つまり、ECBはここ数カ月のように将来の動きを予告するのではなく、米連邦準備制度と同じように、データ次第というかねてからのスローガンをより忠実に守ることになるだろう。
米連邦準備制度もECBも9月には一時停止か再引き上げかの選択を迫られるだろうが、22年3月に利上げを開始した米当局は既にECBより多い利上げを行っている。ECBは依然としてインフレに対して出遅れたとの非難を受けている。ECBが利上げを開始した時点でインフレ率はすでに8.9%だった。
ECB Was Late to Respond to Inflation Shock
Source: Eurostat
ECBはまだ「任務完了」を宣言することはできないが、チーフエコノミストのレーン理事は、過去1年の取り組みで成果が得られると確信している。
「相当な金融引き締めの経済への影響が完全に表れるには2、3年かかるかもしれないが、いずれ実感できるだろう」とレーン氏は12日に述べた。
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