標的はテスラやアドバンテスト、ヘッジファンドの人気セクター空売り

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2023年8月10日 0:00 JST

テスラとアドバンテスト、いずれも株価は年初水準の２倍超え

• 各銘柄を空売りするファンドの比率をヘイゼルツリーが集計

ヘッジファンドは市場で人気が高いセクターの株価が下落に向かうとみている。電気自動車（ＥＶ）や高級品、人工知能（ＡＩ）のブームがいつまで続くのかという懸念があるためだ。

ＥＶメーカーの米テスラ、「グッチ」など高級ブランドを展開するフランスのケリング、日本の半導体メーカーであるアドバンテストは先月、ファンドの空売り比率がそれぞれの地域で最も高かった大型株だ。ヘッジファンドなどの機関投資家に財務サービスを提供するヘイゼルツリーがまとめたデータで明らかになった。

ある銘柄に対する投資家の弱気度は通常、空売りされている株式の比率で測るが、ヘイゼルツリーのデータはこうした弱気なセンチメントが同社のヘッジファンド顧客の間にどれだけ広がっているかを捉えている。

ニューヨークに本社を置くヘイゼルツリーは、約700のファンドから世界の約１万2000銘柄に関するデータを集計。各銘柄を空売りするファンドの比率に基づき、空売り取引の混み具合を１から99の尺度で算出する。テスラとケリング、アドバンテストはいずれもスコア99で、最も混み合っていた。

アドバンテストの広報担当者はコメントを控えた。テスラとケリングの担当者にもそれぞれコメントを求めたが、返答は得られなかった。

テスラの株価は年初水準の２倍余りに上昇、2010年６月の上場以来では２万2000％近い値上がり。ＥＶ需要に対する投資家の熱意が続いている。

アドバンテストの株価も年初水準の２倍を超えている。同社はＡＩブームで最も恩恵を受ける企業の一角とみられている。