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概要:ファーストリテイリングの日経平均に占めるウエート(構成比率)が7月末の基準日にキャップ(上限)を下回ったことで、警戒された将来の売りのリスクがひとまず後退した。基準日前には大株主の柳井正会長兼社長が保有株を一部売却、ウエートの押し下げに作用したと市場ではみられており、次回以降も基準日が迫れば、大株主の動向に関心が寄せられるとの見方も出ている。
[東京 10日 ロイター] - ファーストリテイリングの日経平均に占めるウエート(構成比率)が7月末の基準日にキャップ(上限)を下回ったことで、警戒された将来の売りのリスクがひとまず後退した。基準日前には大株主の柳井正会長兼社長が保有株を一部売却、ウエートの押し下げに作用したと市場ではみられており、次回以降も基準日が迫れば、大株主の動向に関心が寄せられるとの見方も出ている。
8月10日、ファーストリテイリングの日経平均に占めるウエート(構成比率)が7月末の基準日にキャップ(上限)を下回ったことで、警戒された将来の売りのリスクがひとまず後退した。都内のユニクロ店舗で1月撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)
「これでファーストリテ株は買いやすくなるだろう」と、国内証券のアナリストは指摘する。日経平均の定期見直しの基準日だった7月31日、ファーストリテのウエートが11%をわずかに下回ったことが確認されたためだ。
日経平均株価を管理する日本経済新聞社は、昨年10月の定期見直しの際、ウエートへのキャップを導入した。特定の銘柄の値動きに過度に影響を受けるのを避けるためだ。キャップ水準は12%から開始し、毎年1%ずつ水準を引き下げ、2年かけて最終的に10%とする。今年10月の定期見直しの際は11%で、その基準日が7月末だった。
ファーストリテのウエートは今年4月、初めて11%を上回り、キャップ水準を超えるリスクが警戒された。超えた場合、日経平均算出時に用いられる株価換算係数にキャップ調整比率0.9が設定され、指数に対するウエートが低下する。これにより、日経平均指数をベンチマークとするパッシブ連動資金では、リバランスの売りが発生することになる。
基準日が迫っていた7月半ばにかけて11%を上回る日があった一方、株価は「警戒感が上値を抑えている」(国内証券のストラテジスト)とみられていた。14日以降は11%を超える日はなく、基準日のウエートは10.92%と、キャップをわずかに下回る水準で取引を終えた。
<大株主の株売りが話題に>
月が変わった8月4日、市場で話題になったのは、ファーストリテの会長兼社長で大株主の柳井正氏による保有株の一部売却が明らかになったことだ。関東財務局に提出された変更報告書によると、7月18日から31日にかけて、4日終値をベースにした単純計算で約600億円分を売却し、親族などの共同保有者との合算による保有比率は44.42%から43.32%に低下した。
柳井氏はファーストリテ株の保有目的として「発行者の代表取締役会長兼社長として今後の経営安定のため長期保有する」としている。今回の売却理由は明らかになっておらず、会社側は「個人保有の株式のため、コメントを控える」(広報)としている。
ともあれ、柳井氏の株売りがファーストリテ株のウエートの押し下げに働いたとの見方は多い。市場では一般的に、一人の投資家の売買でも出来高の5%程度に膨らめば株価に影響しかねないとの見方があり「これを上回る売りは、株価にマイナスのインパクトを生じる可能性がある」と、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは指摘している。
7月18日以降の10営業日で、ファーストリテイリング株の日々の出来高に対する柳井氏の売却株の比率は、10%を超えた日が8日あった。
今回、キャップ水準を超えていればリバランスの売り需要が3000億円弱、生じた可能性があったとフィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッドは試算している。「投資家の立場からは、600億円分の株価下押しを受けたものの、3000億円弱分の下押しリスクが回避されたとみることができそうだ」と増沢氏は指摘する。
次回見直しの基準日は、来年1月末となる。キャップの水準は引き続き11%。足元のファーストリテ株のウェートは10%台後半で推移しており、株価の動向次第では、キャップ水準を超えるリスクがつきまといそうだ。来年7月末の基準日には、キャップ水準は10%に引き下げられ、クリアのハードルは一段と高まる。
市場では「基準日が近づくごとに、大株主の動向に関心が向かうかもしれない」(ニッセイ基礎研の井出氏)との見方が出ている。
(平田紀之 編集:石田仁志)
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