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概要:7月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.2%上昇となった。6月に続き低い伸びにとどまった。米金融当局がリセッション(景気後退)を引き起こさずにインフレを沈静化させられるとの期待を一段と強める内容となった。
7月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.2%上昇となった。6月に続き低い伸びにとどまった。米金融当局がリセッション(景気後退)を引き起こさずにインフレを沈静化させられるとの期待を一段と強める内容となった。
米CPI、コア指数2カ月連続で低い伸び-インフレ沈静化に期待 (3)
7月のCPI統計に関する市場関係者の見方は以下の通り。
◎リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズ(RBA)の債券担当ディレクター、マイケル・コントプロス氏:
次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合までにはもう1回CPIデータが発表されるが、7月分だけみれば利上げスキップ(1回見送り)の根拠を強めるだろう。本日発表のデータでさらに特筆すべきは、失業保険申請件数が良好な内容が続いた後に急増したことだ。労働市場が(非常に緩慢なペースながらも)引き続き減速している中で、インフレが緩やかになっているのは偶然ではないだろう。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのグローバル債券マクロ・ストラテジスト、ガープリート・ギル氏:
7月のCPIデータの詳細は総じて、インフレ鈍化の進展と一致する内容だ。9月の政策決定は現在から会合までに蓄積されるデータの全体性に左右されると、米金融当局は強調している。今回のデータは、7月で利上げサイクルのピークに達した可能性が高いという当社の見解を後押しするものだが、インフレ鈍化のトレンドが持続するか見極めるため、コア個人消費支出(PCE)価格指数の推移と労働市場のリバランスを注視していく。
◎プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバルストラテジスト、シーマ・シャー氏:
9月据え置きの根拠が強まっている。総合およびコア指数の両方が低下しており、内訳も向こう数カ月に減速圧力がさらに高まることを示唆している。しかし、インフレは正しい方向に向かっているものの依然として高止まりしており、米金融当局が利下げに転じるにはまだ一定の距離がある。むしろ、インフレが順調に鈍化する公算は小さく、2%のインフレ目標が持続的に射程に入ってくるまでには、さらなる痛みを伴うだろう。
◎キー・プライベート・バンクの最高投資責任者(CIO)、ジョージ・マテヨ氏:
今回のインフレ統計は古き良き時代を彷彿(ほうふつ)とさせるものだ。総合、コアインフレ率ともに前月比0.2%上昇となり、新型コロナウイルス禍に伴うインフレの衝撃は薄れたと推察できる。そのため、米金融当局は「着陸に見事に成功した」との感触を強める可能性があり、予定通り9月の利上げを見送るだろう。とはいえ、当社の見解では、依然として景気にはかなりの勢いがあり、先週公表されたように賃金の伸びもなお堅調だ。従って、利上げの一時停止はあり得るが、目先に利下げに転じることはない。
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