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概要:米連邦準備制度は昨年開始したバランスシート圧縮で、これまでに約1兆ドル(約148兆円)相当の保有債券を減らした。前回の量的引き締め(QT)時に金融当局者の動揺を招いたような金融市場の緊張のサインは今のところ見られない。
2023年9月6日 9:43 JST
昨年開始のバランスシート圧縮で約1兆ドル相当の保有債券減らす
前回のQTでは短期金融市場に混乱-今回は緊張のサイン見られず
米連邦準備制度は昨年開始したバランスシート圧縮で、これまでに約1兆ドル(約148兆円)相当の保有債券を減らした。前回の量的引き締め(QT)時に金融当局者の動揺を招いたような金融市場の緊張のサインは今のところ見られない。
ニューヨーク連銀のデータによれば、連邦準備制度の資産ポートフォリオに当たるシステム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)は現時点で約7兆4000億ドルと、昨年4月に記録した過去最高の8兆4000億ドルから減った。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は過去数十年ぶりの大幅な金融引き締めキャンペーンの一環として、月間最大で米国債600億ドル相当と住宅ローン担保証券(MBS)350億ドル相当のランオフ(償還に伴う保有証券減少)を進めている。
こうしたQTの結果、米財務省は国債入札に当たり、民間セクターによる応札への依存度を高めている。連邦債務上限引き上げ問題を巡る与野党対立の決着後、財務省は国債入札の規模を拡大しているが、これまでのところマネーマーケットファンド(MMF)などの買い手による旺盛な需要がある。
RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、ブレーク・ グウィン氏は「連邦準備制度によるランオフはこれまでのところ極めて痛みがないものだ。市場にはQTの大きな影響は見られない」と話した。
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これは米金融当局が前回QTを進め、短期金融市場に混乱が広がった2019年の状況とは対照的だ。当時は準備預金が吸い上げられ資金不足が生じた。パウエル議長は今年6月の議会証言で、当局者が不意を突かれたことを認めた。
RBCキャピタル・マーケッツのグウィン氏は今回これまでの情勢に関し、準備預金に最近数カ月間おおむね変化はないと強調する。
一方、QTの影響が鮮明なのは連邦準備制度の翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーの応札状況で、昨年12月に約2兆6000億ドルとピークに達した後、現在は約1兆6000億ドルと、準備預金のほぼ半分となっている。
金融当局がQTを続けることで、準備預金にも先行き影響が波及し、市場は一段と大きな試練にされされる可能性もある。また、財務省は財政赤字拡大への対応もあり、どの年限の国債を発行するかも重要な要素だ。高利回りとなっている米財務省短期証券(TB)の需要は旺盛だが、同省は期間が長めの国債の入札も増やしている。
同省は8月の時点で既に、中長期債の発行規模を約2年半ぶりに引き上げた。グウィン氏は11月に同様の動きを予想するとともに、来年2月にもやや規模を小さくした上で同じような展開が見込まれるとしている。
同氏は、バランスシート圧縮に伴う連邦準備制度の不在を財務省がどのように穴埋めするかも、QTが市場に及ぼす影響を測定する際の「重要な要素になる」との見方を示した。
連邦準備制度のバランスシートは、新型コロナウイルス禍に際して金融市場の安定化や景気てこ入れのため、多額の米国債やMBSの買い入れを行ったことで大きく膨らんだ経緯がある。
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