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概要:先週末に円は急落した。1ドル=147円台と今年の最安値に下落し、150円を突破した昨年10月の32年ぶり安値に急接近した。
先週末に円は急落した。1ドル=147円台と今年の最安値に下落し、150円を突破した昨年10月の32年ぶり安値に急接近した。
これに対し、日本当局の反応が始まった。鈴木俊一財務相は8日、「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが重要」と述べ、「過度な変動は望ましくない」と発言。「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せず適切に対応する」と言明した。
過度な変動にはあらゆる選択肢排除せず適切に対応-鈴木財務相
日本の当局者発言の基準からすれば、これは強い言葉だった。その後、協調攻撃のように、日銀の植田和男総裁もメディアの取材に対して日銀がマイナス金利を年内に終了させる可能性を示唆した。発言はまた、日銀当局者らがデフレ脱却はすぐそこまで来ていると本気で信じていることをうかがわせるものだった。
週末に誰もがこれについて考えた後、週明け11日にアジア取引が再開された時の為替市場の反応は予想通りだった。このスクリーンショットの赤い丸は発表が行われた時点を示しており、何が起きたのかを明らかにしている。
植田総裁は週末に、2%の物価安定目標の実現にはまだ距離があり、粘り強い金融緩和を続けるとした上で、賃金と物価の好循環を見極めるためのデータが年内にもそろう可能性もあるとの認識を示した。賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、マイナス金利政策の解除を含めていろいろなオプションがあると指摘した。
日銀総裁、賃金と物価の好循環のデータが年内にそろう可能性も-報道
地球上の他の多くの中央銀行と異なり、日銀の目標はインフレ率を低下させるのではなく、2%前後に落ち着かせることだ。日銀はまだ勝利を宣言する段階にはないが、来年の賃金交渉の結果次第ではそうなるかもしれない。
筆者の同僚のテソ由美氏、マシュー・バージェス氏、藤岡徹氏が書いているように、多くのアナリストは植田氏の発言のタイミングを、円を支え、日本が昨年のように為替市場に介入する必要性を回避する試みとみている。一方、この発言は日銀の今後の政策の方向性と、日本におけるマイナス金利が近く終了する可能性について明確な示唆を与えたと解釈する向きもある。
日米金利差の拡大は円安の主要因であり、高利回りのドルの魅力を高めている。
中国人民銀行(中央銀行)は11日、日々の基準レートを元高水準に設定したほか投機的な投資家に対し強い警告を発し、人民元の防衛を強化。これを受けて、人民元は6カ月ぶりの大幅上昇となった。人民銀は声明で、中国の金融規制当局は必要な時にはいつでも市場の一方的な動きを是正するために行動を起こすと表明。基本的に元相場の安定を維持する自信があると付け加えた。
この2つの動きにより、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は日中として約2カ月ぶりの大幅な下落を記録し、8週間続いた上昇に歯止めが掛かった。それでも、特に13日に発表される米消費者物価指数(CPI)を前に、多くの投資家がさらなる乱高下に備えている。トレンドが反転したとは言い難い。ブルームバーグのドル指数は先月に上抜けた200日移動平均線をまだ優に上回っている。
カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマースのビパン・ライ氏は、「週明けのドルは守勢に転じている。日銀の植田総裁の発言と、家計需要の増加を示唆した中国の貸し出しデータによるところが大きい」と指摘した。
しかし、日本国債の利回りが再び上昇した後も、日米の金利差は大きく開き続けている。ブルームバーグが報じているように、米国債の10年物利回りは日本の同年限の国債より360ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ほど高い。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏は、ドルの上昇トレンドの中断は一時的なものだとの見方を示した。
同氏は「今週の重要なデータを控えてドルをショートするのは非常に危険だ。ファンダメンタルズは依然としてドルに有利だと私たちは考えている。ドル以外の通貨がこの上昇を維持できるとは考えていない。雑音に惑わされずに見れば、米国はユーロ圏や英国など他の主要国よりもはるかに強い立場にある」と説明した。
ドルの価値が大きく下落する可能性が低いとすれば、金融システムにおけるドルの中心的役割についても同じことが言える。にもかかわらず、「脱ドル」、つまりグローバル金融における中心的役割からドルが外れるという臆測が新たに生じている。「ポインツ・オブ・リターン」は4月、「この考え方は明らかに米国の競争相手にとって魅力的であり、だからこそ彼らは明らかに熱意をもってこれを推進している」と、幾つかの説を詳しく紹介した。
3週間ほど前、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国から成るBRICS諸国の首脳は、ドルへの依存度を下げる方法に注力すると発表し、観測をあおった。BRICS諸国は、米国の地政学的リーダーシップに挑戦する幅広い野心の一環として、加盟国通貨での支払いを促進する方法を検討すると表明した。
SWIFT取引に占めるドルの割合は現在46%だが、ユーロの割合は過去最低の25%だ。最近のドルのシェア拡大は主にユーロの犠牲によるものだが、円も人民元もドルの優位を揺るがすような拡大を果たしてはいない。脱ドルの可能性はあるのだろうか。ポンドの歴史を知っている人なら、その可能性があることを知っている。しかし今のところ、そのプロセスは始まってさえいない。
(ジョン・オーサーズ氏は市場をカバーするシニアエディターでブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。ブルームバーグに移籍前は英紙フィナンシャル・タイムズに在勤し、Lex Columnの責任者やチーフ市場コメンテーターを務めました。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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