ＥＣＢは利上げを完了、一段の利上げは痛みを誘発－市場関係者の見方

「ハト派的な利上げ」の様相、最後の公算大－アリアンツのリデル氏

• ガイダンスや経済予測、最後の利上げで予想された展開－ＧＳギル氏

市場からのメッセージは明確だ。欧州中央銀行（ＥＣＢ）は利上げを完了した。

ＥＣＢが14日、10回連続の利上げを決定してから数分もたたないうちに、追加利上げはますますありそうにないとトレーダーらは判断した。ユーロは５月以来の安値水準に下落し、債券はイタリア債を中心に上昇した。

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの欧州・中東・アフリカ（ＥＭＥＡ）担当マクロ戦略責任者ティム・グラフ氏は「この日の主な重要点は、ＥＣＢが利上げを完了したということだ」と語った。

ラガルドＥＣＢ総裁は金利がピークに達したと呼ぶことはできないと述べたが、ブルームバーグが調査した資産運用者はほぼ全員がＥＣＢの厳しい経済見通しを指摘し、これ以上の利上げはいっそうの痛みを引き起こすとの見方で一致した。

運用者らのコメントは以下の通り。

アリアンツ・グローバル・インベスターズのマクロポートフォリオマネジャー、マイク・リデル氏：

• ＥＣＢの今回の行動は、ハト派的な利上げのように見える。成長見通しは引き下げられ、言い回しはこれが最後の利上げになる可能性が高いと示唆している

ＪＰモルガン・アセット・マネジメントのグローバル流動性市場ストラテジスト、マイケル・ベル氏：

• ＥＣＢは恐らく利上げを終えただろう。成長の軟化に対し、ＥＣＢは次回の会合で利上げを休止する可能性がある。成長見通しの悪化が続けば、休止がピークへと変わり得る

ドイツ銀行の欧州担当チーフエコノミスト、マーク・ウォール氏：

• 長い休止が示唆されているが、休止の確信度合いは低い。ＥＣＢは必要に応じて追加利上げする選択肢を維持した。インフレに対する勝利宣言もない

ニューバーガー・バーマンのグローバル為替責任者、ウーゴ・ランチオーニ氏：

• 格段に弱まった欧州のデータが、ＥＣＢの決定に対する影響を増したことは明らかだ。経済見通しの修正はさらなる積極的な金融引き締めを正当化しない

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのグローバル債券マクロ・ストラテジスト、ガープリート・ギル氏：

• ＥＣＢはサイクル最後の利上げに見込まれるようなことをした。タイミングが予想外であったことを除けば、長期的な利上げ休止のガイダンスやデータ依存の継続、経済見通しの展開は全てわれわれが予想していた通りだ