アームＩＰＯで投資銀行の「楽しい時間」復活－バークレイズ

どんなＩＰＯ企業でも喜んで買うという熱狂的な投資家の時代は終了

• 来年はＩＰＯ市場にとって多忙な年に－ブルームバーグＴＶに語った

英銀バークレイズのクリスティン・ロス・デクラーク氏は投資銀行のバンカーとして再び楽しくなってきたと感じている。その理由はアーム・ホールディングスの新規株式公開（ＩＰＯ）だ。

同行のテクノロジー投資銀行部門グローバル責任者を務めるロス・デクラーク氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、上場するならどんな企業でも喜んで買うという熱狂的な投資家の時代は終わったと説明。

その代わりに、バークレイズや同行とアームＩＰＯの主幹事獲得を競い合った金融機関は、潜在的な株主に基本的な事業データを売り込むことに何カ月も費やしてきた。

ロス・デクラーク氏が語る

Source: Bloomberg

「私個人にとっても、私のようなバンカーとっても、会社を上場させるのは本当に楽しい時間だ」と述べ、「ＩＰＯの動きがあまりに少ないため、全てをある程度検討しなければならない投資家もいるが、そうした投資家は全てを買う必要はない」と指摘した。

アームは今年最大となる48億7000万ドル（約7200億円）規模のＩＰＯを実施。同社の株価は14日の取引初日、25％高で終えた。食料品配達プラットフォームのインスタカートが来週にもＩＰＯ価格の決定を予定しており、ドイツのサンダルメーカー、ビルケンシュトックも米証券取引委員会（ＳＥＣ）にＩＰＯを申請した。

ロス・デクラーク氏は、来年はＩＰＯ市場にとって多忙な年になるとみている。「来年はＩＰＯを控えている企業の多くが上場することになる」と予想。４月と５月が市場の転換点になり得るとの見方を示し、「各社は今準備を進めている」と話した。