简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:米経済の景気後退入りの可能性について、各方面の議論が白熱する中、米銀大手バンク・オブ・アメリカは株式市場の上昇局面到来を予測しています。その時間軸と上昇幅は「12カ月以内に」「25%以上」と、非常に大胆な数字で……。
景気後退入りの可能性について、各方面の議論が白熱する中、米銀大手バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は株式市場の上昇局面到来を予測している。
8月、年初来続いたS&P500種株価指数の上昇にブレーキがかかった。ただ、7月につけた高値を下回る水準で推移しているとは言え、決して割安感が出てきているといった状況ではない。
米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ、Bank of America)米国株&クオンツ戦略チームのシニアストラテジスト、ジル・キャリー・ホールは最近の顧客向けメールで以下のように指摘する。
「時価総額加重平均型のS&P500種指数のバリュエーションは、当社がトラッキング(追跡)している20項目の指標のうち19項目が割高感を示している状況で、投資判断を強気とするのは無理筋です。
米市場の割高感を否定する唯一の指標は、当社の『配当割引モデル株式リスクプレミアム』だけ。
この状況は、株式リスクプレミアムがあまりに高く、一方でリスクフリー(発行体が米政府で元本保証ゆえリスクが皆無に近い)資産とされる10年物米国債の利回りはあまりに低すぎるという、当社の見解と合致するものです」
キャリー・ホールによれば、株価の形成において、バリュエーションは長期的には大きな意味を持つものの、より直接的な影響を及ぼすのはセンチメント(投資家心理)だ。
その点、足元ではセンチメントが弱気に傾いているように感じられるが、実はそれこそが今後1年以内に株価の劇的上昇を期待できる根拠なのだという。
S&P500種は今後36%下落する。FRBの利下げがスイッチになる可能性も…著名エコノミストのシリング氏予測
もっと知る
年初来の株価上昇分は残り3カ月半で消えてなくなる。弱気のモルガン・スタンレー最新予測
「嫌な感じ」は良い予兆
時価総額加重平均のバリュエーションで見ると、現状は到底割安とは言えない。
しかし、均等加重平均のバリュエーションで見れば、特に年初来の上昇相場をけん引し、他の銘柄を圧倒的にアウトパフォームしてきた「マグニフィセント・セブン(Magnificent 7)」を除くと、そこまで割高はないし、悪くもない状況だ。
マグニフィセント・セブン……アルファベット(Alphabet)、アマゾン(Amazon)、メタ(Meta)、アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)の巨大テック5銘柄にテスラ(Tesla)とエヌビディア(Nvidia)を加えた、時価総額最大規模の7銘柄。
キャリー・ホールは前出の顧客向けメールでこう指摘する。
「S&P500種構成銘柄を均等加重して株価収益率(PER)を算出すると、過去の平均水準と大差ない数字になります」
均等加重平均のS&P500種指数は過去平均と大差ない水準で推移。予想PERの中央値ベース(左図、紺色線)でも、直近PERの中央値ベース(右図、同)でも同じ。一方、超大型7銘柄のPER(両図の水色線)は圧倒的に割高。
Bank of America
実際、足元の均等加重平均S&P500種の「PEGレシオ(PERを1株当たりの利益成長率で割って算出。株価の割高割安を測る指標)」を計算すると、過去平均との乖離はわずかに3標準偏差にとどまる。
こうした数字が出てくる理由は、投資家の悲観的なセンチメント、とりわけ長期成長率予想に対する悲観にある。
アナリストのコンセンサス長期成長率予想は2022年以降、急激に低下しており、足元ではコロナ禍の行動制限が本格化した2020年3月に迫る過去最低水準で推移している。
ただ都合の良いことに、長期成長率予想の低下は歴史的に、株式市場でリターンが拡大する展開を示唆する強力な指標であり続けてきた。
「低い長期成長率予想は強気を意味します。実際、当社は長期成長率予想と将来のS&P500種リターンとの間に強い逆相関があることを踏まえ、2021年11月に(多くのアナリストが)長期成長率予想を高く見積もっていることをベアセットアップ(将来弱気に転じる相場の状態、一種の弱気シグナル)だと指摘しているのです」
「足元の長期成長率予想は、他の条件に大きな変化がなければ、今後12カ月の間にS&P500種指数のリターンが25%を上回るシナリオを示唆しています」
低い長期成長率予想は株式リターンの大幅上昇を示唆する。横軸が長期成長率予想、縦軸がS&P500種指数の12カ月後予想リターン(中央の太線が0%)。
Bank of America
投資益を期待できる6つの業界
さて、バンカメの指摘通り、今後1年以内に25%以上の株価上昇が期待されるのだとすれば、投資家はリターンを最大化するためにどんな銘柄もしくは分野に資金を投じるべきだろうか。
金利上昇は、一般的にロングデュレーションの(投資回収に時間がかかり、金利変動への価格感応度が高い)セクターに不利をもたらすことから、通信サービスセクターに対する長期利益率予想は驚くほど高水準となっている。
逆に、エネルギーセクターは過去3年間で収益を4割積み増したことから、長期成長率予想は衝撃的なほどに低水準となっている。
結局、株価モメンタム(ある業界における当月と3カ月前の株価上昇率の差)、業績モメンタム(当月と3カ月前の予想1株当たり利益伸び率の差)、バリュエーションという3つのファクターを基に、キャリー・ホール率いるバンカメのストラテジストチームは6つの業界にチャンスがあると分析する。
具体的には、「インタラクティブメディア&サービス」「家庭用耐久消費財」「メディア」「旅客航空」「エネルギー設備&サービス」「保険」の6業界が該当する。
より広くセクターの視点から見た場合、足元で最も魅力的なセクターは「通信サービス」「エネルギー」「一般消費財」だという。
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。